――SNSが炎上することは度々あります。討論番組などに出演させてもらって徐々に分かってきたのは、若い女性は聞き役になれという現場の空気感です。
一度ネットTVの討論番組で戸塚ヨットスクールの戸塚宏さんと一緒になったんですが、彼は子供によっては体罰もいとわないという考えなんですね。馬鹿という言葉も連発するので「教育者の方が“馬鹿”という言葉を使っちゃいけない」と言ったら「このヒステリー女が!」と。あまりにもひどい発言が続き危うく笑ってしまうような場面だったんですが、ここは笑って受け入れてはダメだと思い「ヒステリー女もダメです」と返した。
でも数日後に、SNSを見たら「まさにその通り!」と戸塚さんに賛成するような意見もたくさんあって。強い意見を言う若い女性によく反撃してくれた、という雰囲気でした。女性が主張することそのものへの嫌悪感が、日本にはまだまだあると思いましたね。
「私が鍵をかけたことでウクライナ関係者のアカウントに攻撃を…」
東野 ネット空間では、女性というだけで攻撃の対象になってしまうことがありますよね。一度、あまりにも誹謗中傷が酷いのでXのアカウントに鍵をかけて一部の人にしか見えない状態にしたこともあるんですけど、最近になって鍵を開けました。ウクライナが緊迫状態にあって情報発信を強化する必要がある時期だからこそ、多くの人に現状をお伝えしたいですし、何より誹謗中傷したい人は私が鍵をかけても止まらないこともわかりました。
――どうなったのでしょう?
東野 私が鍵をかけたことで、私という攻撃対象を失った中傷者が、日本のウクライナ関係者のアカウントに攻撃を向けたんです。一般の人がいわれなき攻撃を受けるくらいなら、研究で得られた知見を述べている私に向かった方がまだまし。
今は、外見についての中傷は抗議する、発信内容を歪曲された場合は事実関係を指摘する、という対応に留めています。それでも、後に続く女性たちにより良い未来を残せるように「あなたは明らかに、男性にしないことを私にしている」という声だけは上げ続けていくつもり。
SNSの世界はまだトライアンドエラー。まだ「解」は見いだせていませんが、ダメなものはダメ、と言い続けていくしかないと思いますね。
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