付き合う女性すべてに身勝手なルールを押しつけ、少しでもそれが破られるとひどい暴力を振るっていた22歳のある男。ついには恋人を死なせてしまう事件にまで発展…。己の欲望を押さえきれなかった男のその後とは? なおプライバシー保護の観点から本稿の登場人物はすべて仮名である。(全2回の2回目/最初から読む)
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ある日、B子さんと2人でいるところを妻に目撃され、すべての裏事情を知った妻は激怒して離婚。妻の実家から追い出され、代わりにB子さんと暮らすことになった。
「妊娠中の妻の顔」を何十発も殴打…
元妻は3年ほどの結婚生活を次のように振り返っている。
「彼が決めたルールを守らないと怒る。私はひたすら謝るしかない。彼がパチンコに行くときは車で送迎しなければならない。途中で帰ることは許されず、車の中で待っていなければならない。9時間ぐらい待たされたこともあった。長男を妊娠中に彼の友人の家に居候したことがあった。そのときに料理のことで文句を言われ、鍋を投げつけられ、顔を何十発も殴られた。
次第に暴力の前兆にも気付くようになった。目尻のあたりがピクピクして、口元は笑っているのに、目は怒っている。そして、本当に恐ろしい表情を浮かべる。ドライヤーで腕を殴られ、血が止まらなくなったこともあった。『こうなったのはお前のせいじゃけえのう』が口癖だった」
その後、B子さん一辺倒になった大岩は、B子さんにも同様の“7カ条のルール”を徹底させた。だが、同棲開始早々、B子さんの携帯に男友達の連絡先が残っていたことから大ゲンカに発展。「ルール違反だ!」と激怒し、殴る蹴るの暴行を加え、わずか5日後には「もう別れよう。オレの荷物をまとめておけ」と言って出て行った。
ところが、B子さんがその通りにすると、玄関先に積まれた荷物を見て怒り出し、「お前の気持ちはそんなものだったのか!」と激怒。再び殴る蹴るの暴行を加え、たまりかねたB子さんは実家に逃げ帰り、警察に被害届を提出した。
大岩はB子さんに対する暴行と傷害の容疑で逮捕され、法廷に引きずり出されたが、「もう2度としない。賠償金も払いたい」などと反省の弁を述べ、罰金刑を言い渡された。
ところが、シャバに出ると、B子さんに賠償金を支払うこともなく、新たに勤め始めたゲームセンターで、事件の被害者となるA子さんと知り合い、またも同棲を開始した。
例によって、A子さんにも“7カ条のルール”を押しつけ、A子さんがルールを守らないと殴る蹴るの暴行を加えた。活発だったA子さんは陰気になり、地味な服しか着ないようになり、どんどん痩せていき、それまでの友人とも交流しないようになった。
B子さんは大岩と交際していた時代について、次のように語っている。