「知り合った頃は私が風邪をひくと心配してくれたり、子どもをかわいがってくれたりしてとてもいい人だった。でも、付き合っていくうちにだんだんと束縛が強くなり、男性の同僚と話していただけで、『何を話していた。話をしたいならオレを納得させてからにしろ』と言い出した。男性の連絡先は携帯から消去させられ、メアドも変更させられた。電話は2~3コールで出ないと、『出られんことをしてたんじゃないか?』と浮気を疑われた。風呂に入るのも昼寝をするのも連絡しなければならなかった。買い物に行くにも許可が要る。大岩の機嫌を害したために山道に連れて行かれ、顔を平手で殴られたり、噛みつかれたり、お尻を蹴られたりして、ホテルに連れ込まれて乱暴なセックスをされたこともあった」

「私は洗脳されていたんだと思う」

 B子さんに対する暴力は、さらにエスカレートしていく。

「私は大岩に洗脳されていたんだと思う。子どもを抱いていても胸ぐらをつかまれ、殴ったり、蹴ったりされた。いきなりビンタされたり、みぞおちにパンチされて息ができなくなったこともある。髪をつかんで立ち上がらせ、『お前が悪いんじゃろ、わざとらしく倒れ込むな。殺されたいんか。正座せい。こうなったのはお前のせいじゃ!』などと言われた。私の事件で反省していたはずなのに、またすぐに事件を起こした。大岩の性格は変わらない。同じ過ちを繰り返す。厳しく処罰して欲しい」

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 事件の2日前、A子さんを妹のように可愛がっていた美容院の男性経営者が、「元気にしているか?」と電話をかけていた。

「ごめん、もう連絡してこないで。話せないから」

「何かあったのか?」

「何もない。今後は付き合わないから」

 それを大岩は目ざとく見つけて、「誰からだ?」と問い詰め、ごまかそうとするA子さんに殴る蹴るの暴行を加えた。

 その件でしこりが残ったまま事件当日を迎え、些細なことから口論となり、大岩が2日前の電話の話を蒸し返し、鉄製の装飾品が巻かれたベルトで殴打するなど、A子さんをのちに死に至らしめるほどの暴行を加えた。

 意識不明になったA子さんを見て、大岩は慌てて119番通報。