Q トランプ大統領が欲しがる「グリーンランド」、一体何があるのですか?

 トランプ大統領がグリーンランドを「アメリカが保有するべきだ」と主張しています。なぜグリーンランドを欲しがるのでしょうか。そもそも、一体グリーンランドに何があるのでしょうか。(60代・女性・主婦)

グリーンランド西岸中部に位置する町、イルリサットの風景 ©PantherMedia_イメージマート

A 資源開発を進めたいのです

 地球儀で見るとわかるのですが、グリーンランドはアメリカとロシアとの間に位置しています。東西冷戦時代は、ソ連からミサイルが飛んで来たら、グリーンランドの上空を通過する可能性が高かったので、アメリカ軍レーダー基地が設置されました。ミサイル発射をいち早く発見するためでした。いまもこの基地はあり、現在はアメリカ宇宙軍のピツフィク基地となっています。ここがアメリカのものになれば、基地の建設など自由になるというわけです。

2025年1月20日、就任式でのドナルド・トランプ大統領 ©EPA=時事

 また、グリーンランド周辺は温暖化の影響で氷が溶け、海底の資源開発が可能になってきたことからロシアや中国が職種を伸ばしています。中国企業がグリーンランドの資源開発に資金を投資したこともありますが、アメリカがグリーンランド自治政府に圧力をかけて投資を止めさせています。

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©GYRO_PHOTOGRAPHY_イメージマート

 トランプ大統領としてはグリーンランドを自国領としてしっかり防衛し、資源開発を進めたいのです。グリーンランドはデンマーク領で、デンマークもグリーンランド自治政府もトランプ構想には反対しています。

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