『とっさに言葉が出てこない人のための脳に効く早口ことば』(川島隆太・大谷健太 著)サンマーク出版

 脳トレの第一人者である大学教授と、早口ことば作家として人気の芸人による、脳に効く早口ことばの本が好評だ。本書のために書き下ろされた早口ことばには〈冷凍ベートーヴェン弁当〉〈九州に乳牛ぎゅうぎゅう〉〈ほらごらん巨大魚卵〉といった、シュールながらイメージが思い浮かぶフレーズが満載。思わず声に出して読みたくなり、楽しみながら自然と脳を刺激することができる。

「企画のきっかけは、60代後半の母親の口数が少なくなったこと。そのような人が言葉を発する練習の手段はないだろうかと考えるうちに、早口ことばに辿り着きました。ひとりで練習しても楽しいし、家族や友人とゲームのように盛り上がれるところも早口ことばの魅力だと思います。リハビリ施設でも早口ことばを取り入れ、本書を活用されているところもあるようです」(担当編集者の岸田健児さん)

 本の後半に向かうにつれて早口ことばの難易度が上がる構成で、最後には早口ことばの詰まった短編小説まで。一冊通してチャレンジする楽しさもあり。練習の習慣化を助ける折り込みポスターや味わい深いイラストなど、読者を飽きさせないこだわりを感じる。

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 まずは本文冒頭の〈堂々登場! 相当好評! 脳の構造上、脳の向上そのものの本〉を試してみよう。

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2024年8月発売。初版1万部。現在14刷15万部(電子含む)