「救急車を呼びなさい」

「無理だ、もう手遅れだ」

「それなら自首しなさい。日本の警察は優秀だから、逃げ切れるわけがない。すぐに自首しなさい」

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 こうして渡辺は近くの交番に出頭したのだ。

「自分の考えはとても異常だった」

 渡辺は殺人罪と銃刀法違反、死体損壊の罪で起訴され、法廷でこう述べた。

「今回のことは前々から理由があって怒っていた。突発的じゃない。有希さんに裏切られたという考えが積み重なって起こした事件。でも、もう今は自分がそういうことを言える資格がない人間になってしまったので、有希さんに恨みはありません。もう食べたいとも思いません。有希さんに申し訳なかったです。首を押さえ、鼻と口をふさいで、とても苦しかったと思う。自分の考えはとても異常だったと思う。事件のことは後悔しています」

写真はイメージ ©getty

 恐れていたことが起こってしまった事件と言ったらいいだろうか。ここまで猟奇的でなかったとしても、アイドルとファンの距離が近くなりすぎ、また暴走する人間が出てきても不思議ではないだろう。渡辺は「被害者の尊厳を軽視した残忍な犯行」と断罪され、懲役17年を言い渡された。

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