東京郊外の駅とその町は、だいたい似通った構造をしている。
駅を中心に駅商業施設、駅前には広場かペデストリアンデッキがあって、その周囲を大なり小なりの商業ビルが取り囲む。その奥に進めば路面店が建ち並ぶ商店街や飲食街。そして、そんな賑わいの中を抜ければ、駅からものの10分ほどで静かな住宅地に入ってゆく……。
多少の個性の違いはあれど、東京郊外の駅はほとんどがこうした構造を持ち合わせている。立川駅も、その点では特に変わらない。ただ違うのは、その規模があまりに大きいということだ。
立川駅に乗り入れているのは、JR中央線と南武線、青梅線。それに加えてJR立川駅の西側を多摩モノレールが南北に貫く。JRだけでも1日の乗車人員は約15万人に及ぶ。これは、JR東日本全体でも14位、東京都下の駅では最大のターミナルだ。
だから、とにかく規模が大きい。デカすぎる。中央線ユーザーならば立川駅の存在を知らぬものはいないだろう。15万人も乗車人員があるのだから、乗り降りしたことがある人も少なくないはずだ。
それでいて、立川市の人口は約19万人で都下では9番目。八王子市や町田市、それどころか小平市や日野市よりも少ないというのも意外な印象だ。まさしく、立川というのはナゾの巨大ターミナルに他ならないのである。
都下最大なのにトップ5にも入らない…中央線“ナゾの終着駅”「立川」には何がある?
立川駅に乗り入れるJR各線は、いずれも地上にホームを持っている。3路線が乗り入れていて、甲州・信州方面の特急も発着するから構内は広い。4面8線、ひっきりなしに電車が行ったり来たりして、電車から降りたお客は階段をのぼって橋上のコンコースへ向かう。
改札内にもいわゆるエキナカ店舗がいくつもあるあたり、それだけでも充分に規模が大きいことが伝わってくる。

