成田 実際にはじめてみて意外だった発見はありますか?

前澤 今回、皆さんのためを思ってというコンセプトを強調しているのに、なかなかそれが伝わらないことですね。利益を追求するビジネスではなく資本をもっともっと分散して皆さんで一緒に儲かりましょうと散々言っているにもかかわらず、「情弱搾取」と言われたり、前澤ばかり儲かるのかという話に行きがちで、そこは意外でしたね。たぶん何を言っても批判されるんだと思うんですけれど。

成田 批判されるぐらい盛り上がっているとも言えますよね。ほとんどの事業は批判するに値しませんし。

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前澤 そうですね、賛否両論どちらも盛り上がっていますね。結果、カブアンドの認知が一気に広がったのでまあ良しとしようか、と。

『国民総株主』©幻冬舎

ビジネスの多くが実は「情弱ビジネス」ではないか

成田 最初に「情弱ビジネス」と冗談半分、半分本気で言ってみたんですが、考えてみれば不思議な批判の仕方ですよね。というのも、儲かるビジネスというのはほぼほぼ情弱ビジネスだからです。お金を払う側ができないことや知らないことを提供するからビジネスは儲かるわけで、お金を払う側は「情報弱者」ですよね。教育とか出版、メディアなんかは情弱ビジネスの典型です。立派に見えるビジネスの多くが情弱ビジネスであるにもかかわらず、前澤さんの事業だけが情弱ラベルをつけて叩かれてしまう。前回のお金配りの時にもそうでした。前澤さん個人が怪しげだからですかね(笑)。

前澤 今回、特に「国民総株主」という大義を前面に押し出しているぶん、そんなのはボランティアでやれと言われたり、みんなに株主になってもらいたいなら自腹切って啓蒙活動をして、それこそタダで株を配ればいいじゃないか、なぜそれとビジネスを結びつけけるのか、みたいな批判が多いですね。だけどビジネスとして持続的にやっていかないと、配れる株も底をついてしまいますし、成長させてみんなで株の価値を肥大化させていかないと意味がない。そこにビジネスありきということを忘れがちで皆さん批判されるんだと思うんですけれどもね。