お金が世の中から消える未来
成田 株式をはじめとする資本、そして資本を資本たらしめる物差しであるお金が、長い目で見た時にどう変わるかということですね。前澤さんがお話しになっているのは、お金で測られる資産や株式をどううまくみんなに分配するかという話だと思うんです。一方で私が興味あるのは、そもそもお金という尺度が必要なのかかという問いです。長い目で見ると実は必要なくなるんじゃないか。「この人の資産額はいくら」みたいな一つの数字を一人ひとりに当てはめなくても経済を動かしていけるのではないかという気がするんです。
前澤 なるほど(笑)。
成田 そもそもお金はなぜ必要なのか? 私たち一人ひとりがどういう人間かがわからなかったからだと思うんですね。誰かが1万円札を持っているとき、あるいは前澤さんのように誰かが数千億円持っているときでも構いませんが(笑)、それはその人が過去に何かを作ったりやったりして、それを誰かが買ったという証ですよね。ということは、お金はその人が過去に何をやってきたどんな人間なのかを、すごく粗く一つの次元で表したものだと言えますね。ということは、その人が過去に何をやってきたかを捉える細かい情報やデータが代わりにあれば、お金は別になくてもいいわけです。
実際いまの社会は、それぞれの人が何をやって来たか、どういう人かという情報が信じられないぐらいリッチになりつつあるわけです。これが極限まで行くと、もはやお金というものを使わなくても、それぞれの人が過去に何をやってきたかの情報からその人が次に何をやるかが許されるかが直接決まるような経済が生まれるのではないかという気がするんです。
前澤 じゃあお金が世から消える、と。そうすると、価値の尺度はどうなるんですか?
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