2月の「バラバラマンスリー」は当たり月のようだ。

「バラバラマンスリー」とは、テレビ朝日の深夜枠「バラバラ大作戦」のさらに深い時間にできたわずか10分間の深夜枠。月~木曜日に各番組(現在は月曜が過去の傑作選のため3番組)が月替りで放送されている。火曜日は、カリスマキャラのぱーてぃーちゃん・すがちゃん最高No.1とリンダカラー∞・Denによる『某所のカリスマ』。“某所”で開催される集いをリポートする。まず2人は、多様なフェチが集まる「フェチフェス」に潜入。いきなり2人の目に飛び込んできたのは便器。「便器になりたい」フェチを叶えることができるブースだ。さらには身体改造ブースでは、男性器から火を吹く写真を見せてもらったり、SM系のブースでは思いっきり腹パンを食らったりする。その都度、必死にカリスマっぽい一言を言おうとするのだが、「内面の汗が飛び散るのが見え隠れする」という「見届人」平子(アルコ&ピース)の解説の通り、目の前の出来事に勝てる言葉を見つけられず、焦っているのが伝わってきて面白い。何よりも思わず「すご……」とつぶやいた一言が、許容範囲を超えた未知の世界に触れた戸惑いと驚きを如実に伝えていた。

 水曜の『今、行ってはいけない!海外危険エリア』は、同じ「未知の世界を覗く」番組でも対照的なアプローチ。日本人が行きたくても行けない危険な国を現地の人に“丸投げ”し、リポートしてもらおうという企画だ。今回は、政情不安で外務省が危険レベル4として退避勧告をしているハイチ。首都では165ものギャング集団が縄張り争いをしているという。リポートを担当した現地ジャーナリストが、「いつ流れ弾に当たるかわからないから」と防弾チョッキを着ていることだけでも、その危険度がよくわかる。さらに2週目には世界遺産がある北部をリポートするのだが、担当者が代わっている。首都と北部への行き来が危険なためだ。目を背けたくなる過酷な実情と目が釘付けになる見たことのない光景。まさにこの企画でしか見ることができない現実の姿だ。

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キンタロー。 ©文藝春秋

 そして木曜日が『透明人間キンタロー。』。キンタロー。が“透明人間”となって各地に潜入するという企画。1週目はスポーツジム。トレーナーには透明人間は見えないが、何も知らないお客さんには見えるという設定。トレーニング中の客を彼女がひたすら笑わせにかかる。2週目はドミノを並べる猪狩蒼弥の前に透明人間があらわれる。が、1対1なのでもはや透明人間設定が無意味。そんなことはどうでもよくなるほど純度100%の“キンタロー。劇場”で、ただただくだらない最高の10分間だ。

 3つの番組がまったく違う“潜入”の仕方で面白い。

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『バラバラマンスリー』
テレビ朝日 月~木 26:54~
https://douga.tv-asahi.co.jp/program/47527-47526