「世間には男より背の高い女はダメ、という評価軸がある」と気づかされた“きっかけ”
――自分で、「あ、今伸びた」と感じることもあった?
たけべ あんまり信じてもらえないんですけど、朝起きて布団から立ち上がった瞬間、あ、伸びたわ、って感じることはよくありました。視点の高さが変わってるのがわかるんですよ。で、身体測定するとやっぱり伸びてるから、まあ、そうだよねって。
――SNSなどで身長がコンプレックスだったことを明かされていますが、高身長にネガティブな思いを抱くようになったきっかけは?
たけべ 中2ぐらいに好きな男の子ができた時、周りから、「男の方が背が低いじゃん」みたいに言われたんです。「世間には男より背の高い女はダメ、という評価軸があるのか」と気づかされたのがきっかけだったと思います。
ただ、中学はバスケ部だったので、背が高いことがプラスに作用する分、そこまでネガティブに捉えてなかったですし、日頃着ている服も制服なので、洋服のサイズ選びが大変だってことにもまだ気づいておらず、それまではのほほんとしてたんですよね。
――制服は最初に大きめのものを買っていた?
たけべ それで言うと、姉のお下がりがあったので問題なかったんです。当時はガリガリだったので、背が伸びた分スカート丈が短くなるだけでずっと着続けられたので、制服には困らなかったという。
「スカイツリー」「進撃の巨人」「巨神兵」残酷なあだ名を付けられるようになった中学時代
――中学で身長が伸びだしてから、高身長をネタにされるようなことが増えた?
たけべ あの時って本当に残酷なあだ名を付けるよなと思うんですけど、「ノッポ」「富士山」は当たり前でしたね。あと、「たけべ」という名字をもじって「背がたけーべ」とか。
その後も、「スカイツリー」「進撃の巨人」「巨神兵」「トーテムポール」とか、時代に合わせたものも含めて本当にいろいろと言われてきました。
あと、行く先々で「ご両親も背が高いの?」とか、バスケ部と言うと、「やっぱりね」と言われることが増えてきて。純粋に、「何でそんなに背のことばかり言われるんだろ?」という体験が積み重なっていったのも中学時代でした。
――街を歩いていて視線を感じるようなことも?
たけべ 高校生の時、電車でつり革を持って立っていたら、知らない男子高生が私の横に来たんです。車内はガラガラだったので一体なんだろうと思ったら、その子が、「俺の方がちっせえわ」と笑いながら仲間のところに戻って行って。
男子たちの中でじゃんけんをして負けた子が、「あのデカい女とどっちが背が高いか比べてこいよ」というゲームみたいなことをしていたことがわかって、すごくショックを受けました。