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佐川宣寿 財務省・理財局長(当時)
「必要な書き換えは行う必要がある」

NHK NEWS WEB 6月4日

 調査報告書によると、近畿財務局の職員が財務省理財局からのたび重なる改ざん指示に強く反発していたことが明らかになった。昨年4月上旬には、理財局の中村総務課長から佐川氏に対して、近畿財務局側が改ざんに強い抵抗感を示していることが報告されたが、佐川氏は「必要な書き換えは行う必要がある」という考えを示したため、改ざんは強行された。なお、今年3月7日に改ざんを指示されていた近畿財務局の男性職員が自殺しているが、財務省は自殺したのが改ざんに反発した職員かどうか明らかにしていない。

 政府の公文書管理委員会の委員を務める三宅弘弁護士は、「契約に関わる文書で、将来訴訟になるおそれもあるのだから捨てるべきではなく、近畿財務局の職員が改ざん・廃棄に抵抗したのは当然だろう」とコメントしている(毎日新聞 6月7日)。

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伊藤豊 財務省・秘書課長
「国会審議において森友学園案件が大きく取り上げられる中で、更なる質問につながり得る材料を極力少なくすることが主たる目的であったと認められる」

TBS NEWS 6月4日

 調査報告書では、安倍首相の答弁が文書の廃棄や改ざんのきっかけになったと指摘しているが、忖度の有無には触れられていなかった。記者会見では、安倍首相や昭恵夫人に対する忖度があったかどうかについての質問が相次いだが、財務省の矢野康治官房長は「忖度をした、あるいは忖度に類する言葉遣いでも結構だが、そういう事実はありませんでした」と全面的に否定した。

財務省が森友学園を巡る決裁文書改ざんの調査報告書を発表 矢野康治官房長(中央)、太田充理財局長(左)、伊藤豊秘書課長

 では、なぜ財務省は改ざんや記録の廃棄に手を染めたのか? 財務省の伊藤豊秘書課長は「質問につながり得る材料を極力少なくすることが主たる目的」だったと結論づけている。一連の問題の方向性を決定づけたのが佐川氏で、実行のため中核を担ったのは中村氏だ。

 なお、昨年、佐川氏について「冴えているね」としていたのは安倍晋三首相で、今年、「極めて有能」と持ち上げていたのは麻生氏だった。森友学園問題追及のための質問の材料を極力少なくしてくれていたのだから、褒めたくなるのも無理はない。