さまざまな事件や騒動が起き続け、もはや麻痺しかかっているが、公文書の改ざんについての問題を放置しておくわけにはいかない。そもそも、なぜ改ざんが行われたのか? 誰の指示があったのか? あらゆることが明らかになっていないままだ。関連する言葉を集めてみた。

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麻生太郎 副総理兼財務相
「それが分かれば苦労せんのですよ」

産経ニュース 6月4日

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 4日、財務省は学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる決裁文書の改ざん問題についての調査報告書と、当時の理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官ら職員20人の処分を発表した。また、麻生太郎副総理兼財務相は記者会見で「あってはならないことで、はなはだ遺憾」と陳謝。これまで「書き換え」としてきた表現を改め、悪質性の強い「改ざん」であることを認めた。ただ、責任を問われると、続投を強調した。

6月4日、森友学園決裁文書改ざんの調査報告書発表を受け会見する麻生太郎財務相

 会見で改ざんの動機について問われた麻生氏は「それが分かりゃ苦労しない。そこが一番関心あるところ」と発言。麻生氏の姿勢について、産経新聞は「人ごとのよう」と批判した。

 一方、調査報告書では、安倍晋三首相が昨年2月、国会で「私や妻が関係していたなら、首相も国会議員も辞める」と答弁した後、学園側との交渉記録の廃棄や改ざんが進められていた実態を明確に指摘している。

佐川宣寿 財務省・理財局長(当時)
「このままでは外には出せない」

TBS NEWS 6月4日

 調査報告書によると、首相の答弁の後、財務省理財局の中村稔総務課長は安倍昭恵首相夫人の名前が入った書類があるかどうかを確認。政治家関係者からの照会状況をリストにし、理財局長だった佐川氏に報告した。その際、佐川氏は応接録の取り扱いは「文書管理のルールに従って適切に行われるものである」との考えを示したが、応接録や交渉記録が任意に廃棄の可能な「保存期間1年未満」の文書だったため、中村氏は廃棄時の指示だと受け止め、実際に廃棄が進められた。

佐川宣寿氏の証人喚問

 また、決裁文書に政治家関係者の名前があると報告を受けた佐川氏は「そうした記載のある文書を外に出すべきではなく、最低限の記載とすべきである」と反応。国会で提出するよう求められていた国有地売却をめぐる文書についても「このままでは外に出せない」と述べていた。また、佐川氏は改ざんについて、「昨年2月から3月にかけて積み重ねてきた国会答弁を踏まえた内容とするよう念押し」していたという(時事ドットコム 6月4日)。こうして公文書の改ざんが進められてきた。