健康を維持するには、どんな食生活を心がけるといいか。医師の和田秀樹さんは「いつも同じもの、好きなものばかりではなく、いろいろなものを食べるのがいちばん体にいい。そのために、いい手抜きをするべきだ」という――。
※本稿は、和田秀樹『60歳からの「手抜き」の極意』(河出書房新社)の一部を再編集したものです。
脳出血で死ぬ人は、ガンで死ぬ人の10分の1
現在、日本人の死因の1位はガン、5位が肺炎で、6位が誤嚥性肺炎です。これらはすべて免疫力の低い人がかかる病気です。
ストレスなるものがいかに免疫力に悪影響を及ぼしているかは知られたことでしょう。それなのに、なかなかストレスをなくすことができないでいるのではないでしょうか。
嫌なことを我慢してやるとか、苦しいけれどど根性で乗り切るというのは、かなりストレスのかかることです。
死因の2位は心疾患ということになっていますが、心疾患の大部分は心不全です。心不全というのは、なぜ死んだかはっきりわからない人に対してつける死因でもあるので、そのうちの多くは実際のところ「不明」です。隠れた病があったのかもしれません。
実際に急性心筋梗塞で死ぬ人は、ガンで死ぬ人の12分の1しかいないのです。
死因の3位は老衰です。これはいい死に方と誰もが憧れるものです。もっとも、なんらかの病気が隠れていたとしても、80歳以上だと「老衰」になってしまうこともよくあります。
4位は脳血管疾患(脳卒中)です。かつて脳卒中は、死因における堂々の第1位を長年保っていました。脳卒中の中でも、圧倒的に多かったのが脳出血です。
そのため、いまだにみんな脳血管疾患を怖がって塩分を控えたり血圧を下げたりしているのですが、今はすっかり時代が変わっています。
今は、脳卒中の中でも、脳梗塞と脳出血がほぼ2対1と、脳出血は少なくなっています。脳出血で死ぬ人は、ガンで死ぬ人の10分の1くらいしかいないのです。多くの医者はなんと要領の悪い指導をし続けているのだろうかと思うのです。