しかも、いろいろな食材を買ってきてもすべて使い切れるとは限らないので、毎日のように同じ食材を使うことにもなりかねません。好きなものはだいたい決まっているので、いつも同じような変わり映えのしないメニューになってしまいがちです。

そうやって食べるものが偏ってしまうより、外でおいしそうな弁当を買ってきて食べた方が、いろいろなものを食べることができてよほど体にいいのです。

コンビニ上等の手抜きごはんで健康に

今はコンビニのお弁当も本当においしくなりました。スーパーでもお惣菜屋さんでも、趣向を凝らしたメニューがたくさんあります。幕の内弁当のように、なるべく多くの食材を使ったものを選ぶようにしましょう。

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私も近所のコンビニやお惣菜屋さんにはよく立ち寄ります。弁当にもいろいろなおかずが並んでいるのに、小さなパックの惣菜が並んでいるのをみるとついつい欲しくなってちょこちょこと買ってしまいます。

そうやって、その時体が欲するものをあれこれ食べるのがいいとされています。

いつも同じ店ではなく、日替わりでいろいろな店に寄って、品目の多い弁当を買えば、飽きることもなくいろいろな栄養を摂取することができます。

外に買いに行かない日は、冷凍食品も積極的に利用するといいでしょう。ワンプレートにいろいろ詰め合わせたおいしいお惣菜も増えています。

いつも同じもの、好きなものばかりではなく、いろいろなものを食べるのがいちばんです。そのために、いい手抜きをするべきです。

マクドナルドのハンバーガーをおいしく食べるのももちろんいいことです。宅配ピザやラーメンを食べるのもいいでしょう。けれども、そればかりを続けないようにしましょう。

今は、どこにも安くておいしいものがたくさんあります。あれがいけない、これがいけないと考えすぎず、なるべく多くの種類のものをおいしく食べるのが体にいいのです。

和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医
1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、アメリカ・カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学教授(医療福祉学研究科臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。川崎幸病院精神科顧問。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わっている。2022年総合ベストセラーに輝いた『80歳の壁』(幻冬舎新書)をはじめ、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『老いの品格』(PHP新書)、『老後は要領』(幻冬舎)、『不安に負けない気持ちの整理術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『どうせ死ぬんだから 好きなことだけやって寿命を使いきる』(SBクリエイティブ)、『60歳を過ぎたらやめるが勝ち 年をとるほどに幸せになる「しなくていい」暮らし』(主婦と生活社)など著書多数。
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