《特に重要な2017年2月22日の話し合いのメモが》
一方、雅子さんが5年前の提訴時、森友事件の再調査を求めてネット上の署名サイト「チェンジ・ドット・オーグ」で募った署名が、当初35万人の賛同を集めた後、今回の判決を受けて再び急増し、41万人を超えたことがわかった。雅子さんはサイトに以下のような感謝のメッセージを寄せた。
《何度も裁判を諦めようかと思いましたが、続けることができたのは、みなさんの応援があったからです。ありがとうございます。財務省が隠している文書がでてきます。夫が壊れ亡くなる原因になった改ざんの真相をもう少しで知ることができそうです。開示される文書が黒塗りされず、特に重要な2017年2月22日の菅さん佐川さん太田さんの話し合いのメモが出てくることを願っています》
“特に重要な”メモとは、2017年2月の森友事件の発覚後、首相官邸などで行われた菅義偉官房長官と財務省の佐川宣寿理財局長や太田充大臣官房総括審議官ら(肩書はいずれも当時)の話し合いの記録を指す。この話し合いの5日前、森友学園への国有地巨額値引きを巡り安倍晋三首相(当時)は、名誉校長に妻の昭恵氏が就任していることを追及され、「私や妻が関係していれば総理大臣も国会議員も辞める」と答弁している。
そして話し合いの2日後、佐川氏が国会で「取引文書はすべて廃棄した」と虚偽答弁。さらに2日後の2月26日、赤木俊夫さんが上司に呼び出されて改ざんを命じられ、文書から昭恵氏の名前がすべて消された。こうした経緯から、官邸での話し合いには重要な意味があったはずだと雅子さんは考えている。
政府が初めて森友文書の開示方針を示した
おりしも3月4日、加藤勝信財務相は衆議院財務金融委員会で森友関連の文書開示について、森友学園との交渉記録をまとめたファイルを、まだ公にしていない内部のやり取りなども含め、今後1か月程度をメドに開示する方針を初めて明らかにした。さらに、すでに開示されている「赤木ファイル」以外にも、赤木俊夫さんが取りまとめていたと思われる文書を、今年6月上旬をメドに開示する考えを示した。ほかにも、財務省職員の個人の手控えと思われる文書についても開示する方針を示した。
これらの開示文書には、官邸での官房長官らの話し合いのメモも含まれている可能性がある。雅子さんは、すべての文書が黒塗りなしで開示されることを目指し、41万人を超える署名が集まったことを近く石破首相に伝えることにしている。
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3月5日(水)正午配信の「週刊文春 電子版」ならびに、3月6日(木)発売の「週刊文春」では、森友事件の取材を続けるフリー記者・相澤冬樹氏が、《赤木雅子さんが開示を切望「菅・佐川・太田」会談メモ》と題したレポートを寄稿。2017年2月22日の話し合いメモが極めて重要な理由のほか、赤木俊夫さんが改ざんをさせられた2月26日の出来事、赤木雅子さんが安倍晋三元首相の墓所を訪ねたことなどについても綴っている。
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