全農は「農業政策を熟知されている方」と評価

 全農は以下のように回答した。

――なぜ、根絶宣言をしたにもかかわらず、本川氏や荒川氏の天下りを受け入れるようになったのか。

「本川元委員、荒川委員は員外委員として、農業政策に知見を有する方として選任されています。『経営管理委員会』は定款により20名、そのうち5名は員外(会員の役員・使用人以外)と定めています。員外の経営管理委員は、司法関係、会計関係、消費者団体、農業政策、会社経営等に熟知されている方から選考しています。なお、これまでの農水省出身の経営管理委員就任者は2名のみです」

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動画インタビューに応じる元農水次官の本川一善氏(「日本農業新聞」のYouTubeより)

――減反政策を推進する農水省とJAの癒着がコメ不足を加速させているのでは?

「経営管理委員の員外委員は農業政策や司法関係などを熟知されている方を選考しており、ご指摘の内容は該当しないと認識しております」

農水省は「OBについては承知していません」と回答

 農水省に見解を尋ねたところ、以下のように回答した。

――なぜ、根絶宣言をしたにもかかわらず、JA関連団体への天下りを再開したのか。

「農林水産省は、経済事業のあり方の検討方向に関する検討の中で、『農林水産省の幹部職員が全農の役員に就職するという、いわゆる「天下り」は今後とも行わないということをこの際明言する』としており、その後、平成19年(2007年)の国家公務員法改正によって現職職員による再就職あっせんが全面禁止されたことから、現職職員によるあっせんは行っておりません。このため、農林水産省は、個々の退職者の再就職の経緯について、国家公務員法に基づく再就職に係る届出制度の対象である離職後2年以内のOBについては届出の範囲内で承知していますが、それ以外のOBについては承知していません」

宮崎県が地盤の江藤拓農水相 ©時事通信社

――減反政策を推進する農水省とJAの癒着がコメ不足を加速させているのでは? 

「いわゆる減反政策については、平成30年(2018年)産より終了し、現在は、農業者や産地の自らの経営判断による『需要に応じた生産』を基本としているため、ご指摘には当たりません」

JAバンク、JA全農の看板 ©時事通信社

 3月5日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」ならびに、3月6日(木)発売の「週刊文春」では、28人の「天下りのリスト」の中身や、天下り再開に関する元最高幹部の告発、さらに農水次官経験者ら6人の農水省元幹部への直撃などについて詳報している。

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