りんりん あとは朝の身支度ですね。男性の場合、顔を洗って歯を磨いて服を着たら家を出るって方がほとんどじゃないですか。やるとしても、ちょっと髪を整えるくらい。

 でも女性は、洗顔して化粧水や美容液、乳液をつけて、そのあとメイクして、髪をアイロンで整えて。さらに着替えてから、やっと家を出られる。

 ボクの場合、朝早く起きてもメイクに1時間弱ぐらいはかかってしまうので。これを毎日やってるのはすごいなと思います。

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「みんな全然違うじゃん!」SNSで“無加工”にこだわるワケ

――りんりんさんは「無加工女装おじさん」と名乗っていますが、加工アプリを使ったことはないんですか?

りんりん 女装を始めて3年くらいは、加工アプリを使ってましたよ。

――なぜ今は無加工にこだわっているのでしょうか。

りんりん あるとき、女装バーへ行ったら「知ってる人が誰もいないな」と思ったことがあったんです。でも、実際に話してみるとSNSで見たことのある人ばかり。SNSでは加工で別人になってるから、気付かなかったんですよね。

「みんなSNSと全然違うじゃん!」って驚いたのと同時に、自分も別人って思われてるのかなとハッとしました。

――周りの女装家たちが、SNSで加工しすぎて実物とかけ離れていた。

りんりん その後、有名な女装家の「ひめにぃ様⚤」という方と一度女装バーで会ったんです。その方は、実物が本当に可愛くて、SNSやYouTubeで見るのとなにも変わらない。「そのままの人もいるんだ」と感動しました。

 それで、ボクも「ひめにぃ様⚤」に憧れてすこしずつ加工を薄くしていったんです。でもそれからしばらくして、ミラーレス一眼カメラを買って自分を撮影してみたら、すごくガッカリして。

――ミラーレスで撮った無加工の自分を見て落ち込んだ?

りんりん そうです。このままではダメだなと思って、きっぱりと加工をやめ、1年ぐらい血反吐を吐きながらメイクの鍛錬をしていきました。

 

「『阿佐ヶ谷姉妹』ってコメントがついて」メイク動画がTikTokでバズった経緯

――現在はTikTokのフォロワーが4万6000人もいますが、バズったきっかけは?

りんりん 最初は仕事上で調べたいことがあって、TikTokに登録したんです。せっかく登録したんだから自分の動画をあげてみようかなと思い、だらだら動画投稿を続けていました。

 ある日、TikTokで流行ってた、下から上にあがって、5秒後に顔が見えるっていう動画を載せたんです。当時はピンクの衣装を着てめがねをかけたボブヘアーだったんですけど、その動画に「阿佐ヶ谷姉妹」ってコメントがついてバズりました。100万回以上再生されて、5000人ぐらいフォロワーが増えたという。その後はメイク動画がいくつかバズりました。