――りんりんさんのファン層というのは。

りんりん 10代の方もいますし、ボクと同世代の50~60代の方もいます。9割以上は女性ですね。「自由にやってるのがすごい素敵です」「おじさんなのにこんなに可愛くなれるんだったら、私もメイクや美容を頑張ろうと思いました」といったコメントがよく来ます。

 

「きも」「全然ブサイクじゃん」SNSの誹謗中傷コメントが気にならない理由

――TikTokやSNSなどで発信していて、誹謗中傷を受けることはないんですか?

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りんりん 悪口みたいなコメントもありますよ。「きも」「全然ブサイクじゃん」とか。だけどあまり気になりません。

 TikTokには、届いたコメントに対して動画で返信できる機能があるんです。自分の動画の右上にその人のコメントを反映させられるので、悪口がきたら動画のなかで晒しちゃいますね。「こんなコメントが届きました。みなさんどう思います?」みたいな。それをやっていたら、誹謗中傷してくる人は減りました。

――TikTokで発信を続ける理由はなんなのでしょう。

りんりん 再生数に応じてTikTokから広告収益をもらえるので、その収益で洋服を買ったりコスメを買ったりしたいんです。自給自足で趣味を楽しめれば、家族に迷惑もかからないし。

 ただ、TikTokにある投げ銭(ギフト)は、こちらからは積極的に求めないようにしているんです。51歳のおじさんが、TikTokをやってる若い世代の女性から投げ銭してもらうのは、心が痛みます。なので、広告収益だけでお小遣いを稼ぎたいですね。

――ちなみに、TikTokが収益化される前までは、コスメ代や洋服代はどうしていたのですか。

りんりん 最初は自分のおこづかいを使ってましたけど、超赤字でしたよ。クローゼットが女装用の服でいっぱいになるくらい、じゃんじゃん買ってましたから。

50歳になったらやめようと思ってたけど…女装はいつまで続けるのか?

――最近はコンカフェ(コンセプトカフェの略。独自のコンセプトを持ったカフェ)に出勤されることもあるそうですが、どういった経緯で働くことに?

りんりん TikTokでメイク配信をしてたら、歌舞伎町にあるコンカフェのオーナーさんが見てくれてて、「うちで働きませんか」ってDMがきました。じゃあ一度会いましょうという話になってそのコンカフェに行ったら、意気投合して、すぐゲスト出勤することになって。8席くらいしかない小さなお店だったんですけど、十数人とか来てくれて大盛況でした。

コンカフェに出勤したときのりんりんさん(写真=本人提供)

――東京以外のコンカフェにも出勤してるそうですね。

りんりん 2回、3回とやっていくうちに、関東圏以外に住んでるフォロワーの子達から「東京は行けない」ってコメントがきて。それで東京以外にも行くようになりました。今は3か月に1回くらいゲスト出勤してます。

 コンカフェって全部楽しいんですよね。お客さんとして来てくれた人と話すのも楽しいし、お酒を飲むのも楽しいし、チェキを撮るのも楽しい。地方遠征なら、観光もできて美味しいものも食べられますし。

――これからもずっと女装を続けていきたいですか。

りんりん 本当は、50歳になったらやめようと思ってたんですよ。年齢的に、理想の顔はもう作れないだろうなって。でも今は意外とイケてるので、まだ大丈夫かなと。

 ほうれい線がどうしても消えないとか、頬がこけて老化を隠しきれないとか、自分の納得いく状態にできなくなったらやめると思います。還暦は無理かもしれないけど、あと2、3年は続けたいですね。

 

撮影=深野未季/文藝春秋

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