入社翌年に念願の報道番組に抜擢

ーー2010年に入社したTBSでは、ラジオでも活躍されるなか、テレビではニュースを扱う番組をよく担当されていましたね。

アンヌ 入社当時から、「報道をやりたい!」と言っていたんです。

 でも今思うと……入社1年目はいろんな部署に配属されて研修するんですが、バラエティ番組の研修中、ベテランの先輩から「どんな番組をやりたいの?」と聞かれたので「報道志望です!」と答えていたんです。結構失礼ですよね。「先輩の番組でいつかご一緒できたら」くらい言えばいいものを。なんせ当時はとがっていたもので、ホント生意気でした。

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アナウンサー時代

ーーでも思いがかなって、入社の翌年には『朝ズバッ!』(2005年から14年まで、月曜から金曜の朝5時30分から8時30分まで放送されたニュースワイド)に抜擢。先日、残念ながら亡くなられましたが、司会のみのもんたさんについて印象に残っていることはありますか。

アンヌ 朝刊の1面を並べて読み比べをするコーナーを担当していたんですが、あらかじめスタッフが赤い線で囲んだ注目記事を、私が読み上げて説明するんですね。隣にいるみのさんがそれを受けてコメントするんですが、「それであなたはどう思ったの?」とか、「この横に書いてあるさ、ホタテが大漁って何なの?」みたいなことを急に聞いてくるわけです。だから注目記事だけでなく、他の記事も全般的に把握しておかないといけないので、油断できませんでした。

 毎朝、通り一遍に同じことをやっていては視聴者の方も飽きてくるじゃないですか。みのさんの一見奔放に見えるそういうスタイルは、しっかりエンタテインメントになっているんですよね。そんなみのさんに対応しようと、私も必死になって、毎朝、新聞全紙を穴が開くくらい読みこんでいましたので、相当鍛えられました。

 

 2011年の東日本大震災のときは、みのさんが特に被災された方々に寄り添うことを心がけていて、「励みになった」という視聴者の方の意見をかなりいただきました。若い頃からいろいろな経験をされ、苦労を積み重ねた方の想い、みたいなものが届いたんでしょうね。

 お酒がお好きでしたから、前の晩飲みすぎて、本番前までぐったり寝ているといった日もあるんです。もちろん毎日じゃないですよ。でも、番組が始まるとサッと姿勢を正し「やあ、みなさん!」なんて言ってパパッと変わるのはもはや神業でしたね。本当にすごい方でした。今の私があるのはひとえにみのさんのおかげであり、感謝しかありません。

次の記事に続く 「当時は、本当にとがってました」『NEWS23』を直前で辞退→突然の退職…元TBSアナウンサー小林悠(39)の現在地

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