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むろん「瀬川」も名高い名跡だった。松葉屋は瀬川の名を襲名した4人の女郎を、それぞれ1000両(1億円程度)前後の身代金で身請けさせ、大儲けしたと伝わる。そして安永4年(1775)、小芝風花演じる五代目瀬川に、鳥山検校が支払った1400両(1億4000万円程度)もまた、吉原の歴史に残る高額の身請けだった。
その後、おそらく寛政年間(1789~1801)、身代金に500両(5000万円程度)という上限がもうけられるようになった。五代目瀬川の身請けは吉原を飾った、いわば最後の花火でもあった。
香原 斗志(かはら・とし)
歴史評論家、音楽評論家
神奈川県出身。早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。日本中世史、近世史が中心だが守備範囲は広い。著書に『お城の値打ち』(新潮新書)、 『カラー版 東京で見つける江戸』(平凡社新書)。ヨーロッパの音楽、美術、建築にも精通し、オペラをはじめとするクラシック音楽の評論活動も行っている。関連する著書に『イタリア・オペラを疑え!』、『魅惑のオペラ歌手50 歌声のカタログ』(ともにアルテスパブリッシング)など。
歴史評論家、音楽評論家
神奈川県出身。早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。日本中世史、近世史が中心だが守備範囲は広い。著書に『お城の値打ち』(新潮新書)、 『カラー版 東京で見つける江戸』(平凡社新書)。ヨーロッパの音楽、美術、建築にも精通し、オペラをはじめとするクラシック音楽の評論活動も行っている。関連する著書に『イタリア・オペラを疑え!』、『魅惑のオペラ歌手50 歌声のカタログ』(ともにアルテスパブリッシング)など。
