破天荒な言動の裏にあるADHDの特性
イーロンはこれまでSNSなどで突飛で衝動的な発言をしばしば行っている。彼の発言が原因で、テスラ社などの株価を急落させることも何度かあった。2018年4月1日のエイプリルフールには「テスラ社が経営破綻した」とツイートし、株価を最大8%下落させてしまった。
一方、職場でのイーロンは相当なハードワーカーで、テスラの社員によれば、イーロンほど長時間働いている人間はいないし、デスクやテーブルの下で丸まって寝ている彼をよくみかけるという。
イーロン自身は「起きているときは常に働く。特に起業する人には言っておきたいことです。他が週に50時間働くなら自分は100時間働く。そうすると会社としては、本来の2倍仕事量をこなせたことになります」と述べている。イーロンは部下に対する要求も厳しく、無茶な仕事を押し付けたり、無遠慮な批判を繰り返したりすることもたびたびあった。こうした点は、部下に不眠不休の仕事を強いたエジソンに類似している。
イーロンについて確実に言えるのは、途方もない記憶力と想像力を持っていること、特殊な夢想状態に入ることがあること、他人に配慮しない言動をしてしまうことなどがあげられる。またかなりのハードワーカーであり、不眠不休の仕事もいとわないことも特徴の1つである。
イーロンは対人関係に難点はあるが、学生時代も起業してからも、対立しながらも多くの人と交流している点は、一般的なASDとは異なっている。通常ASDにおいては、対人関係が苦手で単独での行動を好む特徴がみられるが、イーロンは真逆で次々と新しい事業を開拓し、多様な人たちとともに仕事をしている。
また読書やプログラミングなどに過度に熱中する様子は、ADHDによくみられる「過剰集中」と考えられる。またイーロンの対人関係の悪さは、「あまり考えずに余計なことまでつい言ってしまう」という特徴が影響しているものと思われる。このように見てみると、特定のものに過剰な集中力を発揮するとともに、いたずら好きで、危険を顧みない傾向の強いイーロンは、ADHDの特性を持っていると考えられる。

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