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少しずつ事実に迫るしかない
グラウンドでは大谷選手がはつらつと体を動かしている。知り合いからの連絡で気付いたのだが、佐川氏勝訴の決定を出した最高裁判事の一人は大谷選手のファンだとネットに出ている。そこは同じだけど、あなたの決定にはとても賛同できないよ。あまりに皮肉な巡り合わせだ。
思えば雅子さんが、改ざんを告発する夫の手記を週刊文春で全文公開し、国と佐川氏相手に提訴したのが2020年3月18日のことだった。それからほぼ5年がたち、すべての裁判が終わった。でも真相解明の道が閉ざされたわけではない。これから開示される大量の公文書から新事実がわかるかもしれない。まずは週明けに財務省からどういう返答が来るか? そして4月上旬に開示される2000枚超の文書にどんな内容が記されているか? 少しずつ事実に迫るしかない。
それにしてもあまりに濃密な一日だ。球場を出たらあたりはもう薄暗い。空にはきれいな満月。まるで俊夫さんが笑っているような気がして、少し元気をもらった雅子さんだった。

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