デジタル時代に注目される、書くことの重要性
――手書きの素晴らしさを伝えている一方で、デジタルに対応した製品もありますね。
アーシャンボウ 「モレスキンスマート」というシリーズはアナログとデジタルを行き来できるツールです。スマートノートブックとスマートペンを使って書くと、それが瞬時にデジタル化されます。モレスキンのノートブックは日記として何年も使い続けているユーザーが多いのですが、スマートノートブックなら、自分の書いた過去のアイディアの正確な日付を瞬時に検索することができます。また近年はAIの導入によって書く人のクセを学習させ、文字の再現性を高める機能も開発中です。


――デジタルと手書きは共存していくと思いますか。
アーシャンボウ デジタルが進めば進むほど、人は真実や本物であることを求めるようになると思います。COVID-19によるパンデミックの期間、アメリカでは日記を書く人が増加しました。読んだ本や観た映画についてなど、自分の感じたことを紙に記したのです。学校の授業も仕事もオンラインになった時、人は精神のバランスを取るために自分自身で書くことを欲したのです。今後デジタル社会において、書くことの重要性はますます高くなるでしょう。

自分の手を使って書くことは、行きすぎたデジタル世界を癒す効果があるとアーシャンボウ氏は言う。書く場所や書き手の個性、用途に応じてあらゆる紙のレシピを研究しているモレスキン。天才性は一部の特別な人にだけあるのではなく、地球上のあらゆる人間が天から与えられたギフトであることを、一冊のノートブックが教えてくれるかもしれない。何気ない日常生活や毎日のビジネスシーンにおいても、ノートブックとペンを傍に置いて、自分の才能を引き出してみてはいかがだろうか。
