ついに限界を迎えていることを実感

 双子が生まれると同時に、男の子4人+双子の新生児という壮絶なワンオペ育児がスタートしました。人間の脳は記憶の中で辛い経験は奥深くにしまって思い出そうとしないといいますが、たぶん脳の引き出しからこの頃の記憶は溢れてしまって、忘れることは一生ないと思うのです。

双子のりあちゃんとりこちゃん

 しかも今回は一人ではなく双子です。そのため授乳は当然倍の数。二人の夜中の授乳で、寝たのか、そうでなかったのかわからないまま、朝6時には4人分の朝食とお弁当作り。高校生のともやを送り出した後、双子を抱え、じゅん、かい、かづを送りにバス停へ。ベビーカーに乗せた双子を合わせて、5人を連れ歩く光景はなかなかのものです。「え? みんなあなたの子なの?」「どうやって育てているの?」とよく聞かれたものです。

 その後、りあとりこが寝てくれればラッキーで、私も少しだけ仮眠を取ることができたのですが、寝てくれない日にはそのまま二人のお世話と朝食の片付け、夕飯の買い出しに支度。ボーイズの帰宅後は、りあとりこを見ながら宿題を手伝うなど、まさに目の回るような忙しさでした。

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 授乳をしていた頃は、二人ともよく寝てくれて助かったのですが、離乳食が始まると事態は一変しました。夕方になると、お腹が空いているのか、眠くなるのか、双子の機嫌は崩壊。おもちゃを取り合ってけんかが始まり、一人が泣くともう一人も泣き始め、泣き声のハーモニーは小さいアパートにこだまします。こうなると、私も兄たちもストレスが限界に達し、私は「いけない」と思いながらもつい怒鳴ってしまい、子どもたちもますます言うことをきかなくなるという悪循環に陥ってしまいました。

 ある日、長男のともやが冷静に「ママが怒鳴るのをやめれば、みんな言うことを聞くと思うよ」と言ったとき、私も限界にきていることを痛感しました。しばらく冷静になり、怒鳴るのをやめようと努力しましたが、それでも繰り返すトラブルやけんかに怒鳴ってしまい、自己嫌悪に陥る日々が続きました。