「受験」という新たな課題とボーイズの成長
壮絶な毎日を送る中で、さらに追い討ちをかけるように「受験」という課題が私たちを待ち受けていました。4人のボーイズは日本人学校に通っていましたが、ここは中学までしかなく、高校は受験が必要でした。
長男のともやは当時中学2年生で、すでにYouTubeチャンネルを開設し、順調に視聴者を増やし、収益がどんどん増えていました。この成功は喜ばしく思っていたものの、彼が画面の向こうの世界に夢中になりすぎて、勉強に集中できていないのではないかと私は常に心配でした。そしてこの私のストレスは子どもにも飛び火し、そのストレスからかボーイズはしょっちゅうけんかしていたのです。
また、ともやは反抗期でもあり、じゅんともよくけんかをしていました。本来なら悩みを聞いてあげたいところでしたが、りあとりこのお世話で私も精一杯で十分サポートできていなかったこともあると思います。ですが、男の子は9歳から15歳ぐらいまでは思春期のホルモンの影響なのか本当によくけんかをするものです。
それでも子どもが6人もいれば勝手に育ってくれる部分もあるものです。もちろん長男と次男は下二人のボーイズの親分でしたから、下二人が母に反抗しようものなら遠くからでも「ママの言うことを聞け!」と一喝。この上二人がいなかったら6人のワンオペは無理だったでしょう。
そして、かいとかづの二人は、年齢のわりにしっかり育ち、というよりしっかりせずには生活していけなかったのでしょうが、宿題も学校の用意も自らやり、言わなくても上靴を洗い、食事の手伝いもして、りあとりこの面倒も見てくれて、その当時の家庭教師を驚かせました。もちろん私の救いになってくれたのは間違いありません。
特に男の子の中で一番下のかづは、りあとりこの面倒をよく見てくれて、その苦労を今でも笑い話にしているほどです。双子のうち、りこはとにかく泣く、それも劇的に泣く子で、周りからはドラマクイーンと呼ばれていましたが、あるときかづがちょっとりこの靴の後ろを踏んだだけで大泣き。それは外出先でのことで、かづも疲れてはいたものの、泣いて歩こうとしないりこを抱っこしてあげようとしたのです。それさえ拒否するりこは、わざと両手を上げて抱っこできないようにしていたこと、それ以上歩こうとしないので、目的地に向かえず困ったことなど、かづは当時を回想し語ってくれました。そして、「女の子の面倒を見るのは大変だ」と幼いながらに悟ったそうです。