中古と新築では大きく差が開く
とはいっても、経済合理性だけのために、実の親や義両親と一緒に暮らしたいという人は今時少ないでしょう。
では次の選択肢は何になるかと言うと、実は、賃貸と中古マンションと中古戸建の年間支出が100万円程度で並んでいます。その次は大きく差が開いて、新築の分譲戸建、分譲マンション、注文住宅と続きます。
どうしてこのような差がつくかと言うと、日本では新築の住宅が高く評価される傾向にあるからです。
例えば、賃貸では新築となると同じような物件の仕様であっても賃料は高くなります。一方で、短期間でも誰かが住んでしまった場合は、中古の扱いになり賃料も下がります。
日本で新築物件が評価されるのは、住宅の供給戸数に占める新築と中古の割合からも分かります。アメリカやイギリスでは8~9割が中古なのに対して、日本は2割です。日本は人口も婚姻数も減少し続けているのに新築の方が購入されているということは、中古の住宅が解体されているか、空き家として残っているということになります。
価格は需要と供給で決まりますから、新築を求める人が多く、中古を求める人が少ないのであれば、結果的に新築と中古とで価格差が生まれることになります。
では、「中古でも安ければ良い!」と妥協できた時に、中古戸建と中古マンションではどちらがお得でしょうか。降雪地帯ではマンションの方が暖房効率が良いというような地域の特殊事情を除けば、一般的には、中古戸建の方が高いスペックの家に住むことができます。
理由は、戸建とマンションの評価方法に違いがあるからです。
それぞれの住宅にいくらの価値があるかは様々な評価方法があるのですが、一つの考え方として、最初に購入した時から建物の価値が徐々に減っていくというものがあります。最終的に1円(要するに無価値)になるまで、どれくらいの期間がかかるかは、耐用年数でおおよそ決まっているのですが、一般的に戸建は22年、マンションは47年とされています。戸建の方が早く価値が目減りするということです。
なぜ倍以上も耐用年数が異なるかと言うと、建物の構造の違いです。日本の戸建住宅の多くは木造建築ですから、鉄筋が多いマンションと比べると耐久度は低く見積もられます。
