かちょす アイドルがオタクの気を引くために神対応することを「釣り」っていうんですよ。たとえばオタクに「好き」とか「愛してる」とか言って釣る子もいるんです。今の子はそれがうまくて。

――なるほど。

かちょす デートの話とかも一緒に考えてくれて。何をしようとか、どこに行こうかとか。

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――この「卒業応援プロジェクト」のクラウドファンディングにある「2時間の個別オフ会」ですね。30万円って書いてありますが。

かちょす その30万円も「私が払いたいぐらい」とか言ってくれて、本当に口が上手いんですよ。

――それはリップサービスではないんですか……?

かちょす もちろんそれは分かってますよ。でもあえてそれに乗る遊びじゃないですか。そういうのに騙されて推し活をやっちゃってる感じはあるんですけど、でもその分ライブでも超レスをくれますし、それなりに向こうの愛情みたいなのも伝わってくるんで、それでハマっちゃってるかな~、みたいなのはあります。釣られちゃいますね。

 

――いままでアイドルと“繋がり”(私的な交流)を持ったことはないんですか?

かちょす ないですね。もちろんチャンスがあれば繋がりたい気持ちがないわけじゃないですけど、実際にはないですよ。だって出禁が怖いじゃないですか。

「婚期は逃しましたね。自分の子孫を残せないのはちょっと寂しい気持ちはあります」

――聞くのも野暮ですが、推し活をしてて後悔はないですか?

かちょす 婚期は逃しましたね。大学時代はスキーサークルでしたし、20代後半でアイドルを推しはじめる前は普通に恋人もいましたけど、推し活をするようになってからはどうしても優先順位がアイドルになってしまったので。自分の子孫を残せないのはちょっと寂しい気持ちはあります。世間一般的には、50を超えて結婚もせずにアイドルを追っかけてるほうが異常なのはわかってますし。

――でも基本的には満足している?

かちょす そうですね。自分が楽しければいいんで、周囲からいろいろ言われても全然恥ずかしくないというか、逆に誇りに思ってます。だって、ほかの人には味わえない人生を歩んでいると思ってますからね。大場(美奈)がAKBを卒業したときに、これでオタク活動を辞めれるかなと思ったんですけど、今は以前よりもディープにハマって、「もうこれは死ぬまでアイドルオタクだな」って思って、「還暦迎えても最前に行くぞ」って気持ちです。

――とても多くのお金や時間をつぎ込みながらも、かちょすさんは確かに陽キャ感があります。

かちょす もしかすると、複数の推しがいるからかもしれませんね。やっぱり推しが1人だけだと、その子が卒業したりスキャンダルがあったときにダメージが大きいじゃないですか。それよりは2番目、3番目がいた方がいい気はします。

――トップオタで複数の推しがいる人は珍しい気がしますが。

 

かちょす もちろん女の子からしたら、他の子と掛け持ちされるのは気に食わないかもしれませんけど、どこに行くかの自由は僕らオタク側にあるんです。それにイチ推しだけを推していても、その子が責任取ってくれるわけじゃないでしょ? だから、オタクはほかの子に行って楽しんでもいいと思います。いろいろな現場を掛け持ちしてるので、本当に他の事をする時間はないんですけど(笑)。でも「今日はどんなレスが来るかなぁ」って考えてる時がいちばん楽しいです。

――もしいつか結婚するなら、やっぱりアイドルがいい?

かちょす ここまで来るとアイドルしかないですよね。誰か結婚してくれないかなぁ(笑)。

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