秋元康氏が自分に訊ねて自分で答えるセルフインタビュー連載。第10回ではリリー・フランキー氏との親交を語った。

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「リリーさんは最高にセンスがいい」

 ――芸能界で一番、仲のいい友達って誰ですか?

 秋元 誰だろう? こういう質問って、一番、難しいよな。こっちが、一番、仲がいいと思っていても、向こうがそう思っていなかったら、カッコ悪いし……。

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芸能界の“一番の仲良し”を秋元康氏に訊ねると… ©文藝春秋

 ――小学生じゃないんですから。相手がどう思っているかなんて、心配しないでください。

 秋元 じゃあ、リリー・フランキーさんかな。

 ――意外ですね。

 秋元 やっぱり、そう思う?

 ――リリー・フランキーさんって、個性派の俳優で、イラストレーターで、文筆家で、ミュージシャンで……サブカルチャーのイメージが強いじゃないですか? それが、芸能界ど真ん中の……。

 秋元 だよね? 言いたいことはわかる。対極にいる2人が、なぜ仲良くなったのか? 不思議なんだろう?

 ――はい。

 秋元 一番、大きいのは、大人になってから出会ったからだと思う。若い頃に出会っていたら、お互いに突っ張っていて、「住む世界が違う」と、境界線を作っていたかもしれない。

 でも、15、6年くらい前のことだからね。僕が50歳を過ぎた頃、リリーさんも45歳を超えたくらいだったから、ごく自然に打ち解けた。

 ――リリー・フランキーさんのどこに惹かれたんですか?

 秋元 一言で言えば、「センス」かな。

 ――センス? 何の?

 秋元 すべての……。会話から、ファッションから、ギャグから、人間関係から、生き方から……。リリーさんは最高にセンスがいい。