「殺人事件をリリーさんと解決したい」

 ――よく会われるんですか?

 秋元 お互いに時間があれば、毎日でも……。

リリー・フランキー氏 ©文藝春秋

――いいおっさん2人が会って、何するんですか?

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 秋元 おしゃべり……。

 ――“おしゃべり”って……(笑)。酒を飲むってことですよね?

 秋元 そうね。確かに、ウイスキーの美味しさを教えてくれたのは、リリー・フランキーさんだから……。

 ――飲み方は?

 秋元 ウイスキーによるね。ザ・マッカランなのか、アードベッグなのか、ラフロイグなのか……。僕が一番好きなのは、アードベッグかな、1975年、1976年のシェリー樽、バーボン樽のもの……。飲み方はストレートかな。

 ――秋元さんが、お酒を飲んでいるイメージって、あまりないですね?

 秋元 毎日、締め切りを抱えているから。酔っちゃうと、書けなくなるんだ。

 ――リリーさんと、男2人で飲んで、どんな話をするんですか?

 秋元 豪華客船で、クルージングの旅に出ようとか……。

 ――クルージング!?

 秋元 できれば、地中海を航海している豪華客船で殺人事件が起きて、僕とリリーさんで解決したいって。いつも話してる。

 ――60過ぎのおじいさんたちの会話じゃないですね。仕事の話とかしないんですか?

 秋元 しないねえ。結局、旅なんだよ、歳を取ると……。

 ――他の話題は?

 秋元 健康かな……。腰が痛いとか、膝が痛いとか……。

 ――なんか、がっかりですね。秋元さんとかリリーさんほどの人が、ウイスキーを飲みながら、そんなことを語らっているなんて……。

 秋元 それが人生なんだよ。

※本記事の全文(約5000文字)は月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2025年4月号に掲載されています(秋元康ロングインタビュー 第10回「相性について」)。
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