Q トランプ関税、なぜ日本に「24%」?

 トランプ政権が相互関税の導入を発表。中国からの製品に34%、欧州連合(EU)に20%、日本には24%で、個別の関税率を示していないすべての国や地域を対象に一律で10%の関税を課すとのことですが、なぜ日本は24%なのでしょうか。他国と比べて特別な理由があるのですか?(80代・男性・無職)

2025年1月20日、就任式でのドナルド・トランプ大統領 ©EPA=時事

A 根拠のある数字を導き出したように見えますが……

  この数字には驚きましたね。その後、トランプ政権は数値算出の根拠を発表しました。 

USTR(アメリカ通商代表部)HPより

 なんだか高等数学を使って根拠のある数字を導き出したように見えますが、インチキです。アメリカが各国に抱える貿易赤字額を、その国の対米輸出額で割ったものに100をかけると、その国が「アメリカを食い物にしている不公平な割合」なるものが導き出せるというのです。「本来はその数字分の関税をかけてもいいが、好意を示して半分にしてやった」という理屈です。 

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 アメリカは対日貿易赤字が大きいので、計算をすると46%になります。その約半分を四捨五入して24%にしただけです。恐るべき杜撰さ、いい加減さです。

©AFLO

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