「すごく元気なときと、そうじゃない時が繰り返しくる」

 人気大食いYouTuberとして知られる木下ゆうかが、2024年8月に双極性障害を患っていることを公表した。順風満帆に見えた彼女の背後には、長年の精神的な苦悩があった。木下は当初、自身の症状を鬱病だと思い込んでいたが、約4年の歳月を経て正しい診断にたどり着いた。

撮影 山元茂樹/文藝春秋

 「はじめは燃え尽き症候群というか、気持ちが落ち込むことが続いたので自分は鬱なのかなぁと思いながら過ごしていたんです」と木下は振り返る。YouTubeでの成功後も、説明のつかない気分の落ち込みに悩まされていた。さまざまな対処法を試すも効果は現れず、やがて気分の波に気づき始める。

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27歳の時に起きた実母の自死

 木下の苦悩は、27歳の時に起きた実母の自死によってさらに深まった。「今も思い出すと辛くて悲しくて…」と、13年経った今でも立ち直れていないという。この経験を通じて、木下は自身の症状と遺伝的な要因との関連性を考えるようになった。

 「双極性障害は正確な原因はわかっていないものの、遺伝でも患う可能性もあると知った」と木下は語る。自身の症状と母親の様子を振り返り、遺伝的な要因があるのではないかと推測している。

 最終的に双極性障害と診断されたことで、木下は適切な治療を受けられるようになった。しかし、その道のりは決して平坦ではなかった。「鬱に効く薬と双極性障害に効く薬が違うんですよね」と木下は説明する。正しい診断を得るまでの時間は、適切な治療を受ける機会を遅らせることにもなっていた。

撮影 山元茂樹/文藝春秋

 木下の経験は、精神疾患の複雑さと、正確な診断の重要性を浮き彫りにしている。彼女の勇気ある公表は、同様の悩みを抱える人々に希望を与え、精神疾患に対する社会の理解を深める一歩となるだろう。

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撮影 山元茂樹/文藝春秋