究極モデル・スーパーランドのみの展開で、他ブランドと差別化を狙う

──素晴らしいブーツです。では、なぜこのタイミングで再始動したのでしょうか。

フォレスティエ ガリビエは他のアウトドアブランドに比べて、まだまだ小さなファクトリーです。その中で、ガリビエはこのスーパーランドのみの展開で、差別化を図っています。現在のアウトドア製品は細分化されていて、購入者にとってどれを買えばいいのかと悩んでしまいます。ただガリビエのスーパーランドは、アウトドアに求められるすべての要素を詰め込んでいるので、シンプルにこのブーツを買えば事が足りる。なので、私たちはこのスーパーランドというひとつのモデルのみで勝負しています。また再始動にあたり、以前からガリビエを愛用してきた方や、シューズ設計のスペシャリスト、フランスの山岳救助隊と、アウトドアに精通する方から知恵をもらい、伝統とモダンのバランスを絶妙に取るような設計にしました。スーパーランドは、我々が自信を持って送り出す究極のブーツなのです。

2019年に、「パラブーツ」や「パラショック」などを展開するリシャール・ポンヴェール社CEOに就任した、エリック・フォレスティエ氏。

──再始動にあたり、世界中のアウトドアファンは喜んでいるかと思いますが。

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フォレスティエ ヨーロッパでは古くから愛用している人、アメリカではコロラドやカリフォルニアで履いている人が多かったこともあり、とてもいい反響をもらっています。ミュンヘンで開催された合同展示会・ISPOでは、バイヤーやプレス関係者から懐かしいという声も聞いています。探検家や登山家の間では歴史あるブランドで、再始動のタイミングもよかったと思います。

──話を聞く限り、ガリビエのターゲット層は本格登山家ですよね。

フォレスティエ そうです。山へ行く人、山を登る人、最高の商品を探し求めている人、テクノロジーを求めている人。これらの方のニーズにしっかりと応えるため、本格志向な人に向けた商品展開をしています。特に日本のマーケットでは、革の材質や靴の中まで見る=ディテールを重視している傾向があり、日本人がいい商品と認めてくれると世界で通用する。だから、日本人が認めてくれれば世界で通用するパスポートが手に入ります。スーパーランドは100年続くエスプリ精神を継承した、普遍的なデザイン。我々が目指すところは、世代を超えて3世代で受け継がれるようなブーツであり、男女隔たりなく履けるブーツです。修理をしてずっと愛用してもらえる人のアウトドアライフの一部になり、思い出の一部にもなれればいいと思っています。