ドイツ人は日本人の3倍の休みをとり、仕事の成果は1.5倍上げている。そんな刺激的なサブタイトルが目を惹くビジネス書の売れ行きが好調だ。
「ビジネス書の世界で『休み方』が大きなトレンドになっている印象です。本書の内容にもそうした側面があるのが、ヒットの一因だと分析しています」(担当編集者の吉本竜太郎さん)
著者は日本企業の海外駐在員としてドイツ勤務中の現役会社員。駐在歴17年、欧州向けビジネスに携わること30年の豊富な経験を元に、ドイツ式と日本流のハイブリッドな働き方を本書で提示している。
「著者からの提案を受けて企画を進行中の2023年に、ドイツが日本を抜いてGDP世界3位になったんです。おかげでさらに内容に確信が持てました」(担当編集者の小寺裕樹さん)
ドイツの会社員の一般的な1日の過ごし方の紹介から始まり、国としての休暇や教育に関する制度を説明、そして具体的な働き方やマネジメントのハウツーへと進む。たとえば、早朝型の働き方を実行するため、就寝時間から逆算して、カフェインを摂取する期限を決める。会議の効率化は原則を意識して、まず「出席する必要があるか」を見極める。帰宅直前と始業時にメモを活用してタスクを整理。そうした小さなことの積み重ねで、業務の本質に迫ろうとする点が印象的な本だ。
