ヤクザの姐さんは「もうできない」と言ったら…

佐久間 それがようやくOKが出て、『故郷は緑なりき』は社運を賭けた作品になりました。おかげさまでヒットもして。こういう文芸作品も撮ってくださるんだと嬉しかったですね。その後『五番町夕霧楼』も撮ってくだすって。『五番町』は水上勉さんの原作で、ホンを隅から隅まで頭に入れて、ロケハンから何から全部行きました。

阿川 ヤクザもの、任侠ものの東映で、女性主演の映画をつくり出したのは佐久間さんだった。

佐久間良子さん ©︎文藝春秋

佐久間 まあね。でもその後もそういうものを続けられるのかなと期待したけど、次はまたヤクザの姐さん。

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阿川 あら、戻っちゃった。

佐久間 興行的なこともあったんでしょうけど、もうそれは私はできないってお断りしたんです。そうしたら、干されたのねえ。

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 デビューのきっかけや、東映アニメとの関わり、子育てと仕事との両立など、佐久間良子の波瀾万丈な人生を阿川佐和子が聞き出したインタビューの全文は『週刊文春 電子版』および4月10日発売の『週刊文春』で読むことができる。