2月13日発売の『週刊文春』の名物連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」に、NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』で、吉原風俗考証を担当する山田順子さんが登場。時代考証家として大河ドラマを手掛けるに至るまでの経歴から、撮影の裏話について語った。
若き日のみのもんたに「あなたは分かんないけど…」
2代続いた歯医者の家に生まれたという山田さん。両親は一人娘を「歯医者にするつもり」だったというが、大河ドラマとの出会いが山田さんの人生を変えていく。
「10歳の時に大河の第1作『花の生涯』を観て衝撃を受けて。2代目尾上松緑さんのあのかっこよさ。子供心にズキンと来ちゃった。それ以来、ずっと大河のオタクです。
15歳の時に時代考証家・林美一先生の『時代考証うらおもて』という本を本屋で偶然見つけて。内容は時代劇の作り方なんですけど、面白い!と思って、時代考証家になると決めました」
歯医者にはならないと3年がかりで親を説得し、専修大学文学部人文学科史学コースに進学。だが時代考証家は、現在でも「女性は私1人だと思う」と山田さんが語るほど、人数の限られた職業だ。山田さんも、すぐに時代考証家になることはできなかった。
「同じゼミにも、時代劇を作ろうなんて人はおらず、教授に相談したら、『君の頭が白くなったらなれるかもね』と。
結局、知識と経験、それと年齢のハッタリが重要。だって、小僧に言われたくないじゃないですか、『昔はこうだった』って」
大学卒業後は、広告制作会社や印刷会社での経理など、さまざまな仕事を経験。そんな中、ラジオ番組の原稿を書く機会を得て、徐々にテレビの世界に足を踏み入れていく。
「文化放送を辞めたみのもんたさんがレポーターになったばかりの頃、四ツ谷のとんかつ屋で一緒にご飯を食べながら、『なあ、俺たちに将来はあるのかね?』って言い出したから、『あなたは分かんないけど、私にはあるよ』って返したの」
その言葉通り、山田さんは『なるほど!ザ・ワールド』や『クイズ面白ゼミナール』などの人気番組を舞台に、主に歴史のクイズ問題の作成で活躍していく。やがて、ドラマの時代考証の仕事も舞い込むようになっていった。
ドラマ『JIN-仁-』での時代考証が評価され、その後も『天皇の料理番』の時代考証、『義母と娘のブルース』の古語監修・所作指導など数々の作品に携わってきた山田さん。そして今回、ついに念願の大河ドラマの考証を手掛けるまでに至った。
山田さんの波瀾万丈の人生のほか、今回の大河ドラマの吉原風俗考証のポイント、主演の横浜流星らとの撮影現場での秘話、話題になった第1話での「裸体シーン」の背景とは……。阿川佐和子が大河ドラマの裏側を聞き出したインタビューの全文は『週刊文春 電子版』および2月13日(木)発売の『週刊文春』で読むことができる。
