2月20日発売の『週刊文春』の名物連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」に、漫画家のちばてつやが登場。
昨年11月には漫画家では初の文化勲章を、12月には菊池寛賞を受賞したレジェンドだが、現在も『ビッグコミック』で『ひねもすのたり日記』の連載を続けるなど、精力的に執筆活動を続けている。
86歳でも健康の秘訣とは
「去年ついにコロナにかかりまして、そしたら後遺症というほどでもないんだけど、目の焦点がうまく合わなくなっちゃったんです。細かい絵を描くときに支障があったので、3カ月ぐらいお休みをいただいて、目のレンズを綺麗にしました」
昨年一時休筆するが、現在は復帰。目の手術をしたことで「(視界が)クリアになって、体もだいぶファットになりました(笑)」とユーモラスに語る巨匠だが、漫画家になって1、2年目に大きな病気をしたことが、健康への意識に繋がっているという。
「背骨の中を赤い虫が這っているような、そういう幻覚を見て夜中にハッと目が覚めるんです」
家族も「体がもたないんじゃないか」と心配したというが、その症状の原因は身近なところにあった。
「その病気の原因が運動不足だと分かったのは、ちょうど野球漫画(『ちかいの魔球』)を描くことになって、野球の取材でキャッチボールをさせられたときなんですよ。
『野球好きな担当者をつける」と言われて、その人と試しにキャッチボールをしたらね、真冬の一番寒い時期でトックリのセーターを着ていたのに、体中から湯気がもわんもわん出てきて(笑)。周りで見ていた家族が『どうしたのっ!? 煙が出ているよ』って。
それまで溜まっていた汗がウワ~ッと出たんでしょうね。それからは適度に運動するようになって、虫の幻覚も見なくなりました。何でもいいの。階段の上り下りでもいいし、『熱い汗』をかくのが大事。冷や汗はそれまでもかいていたんですけど(笑)」
以来、漫画家仲間に運動を勧めるようになり、ゴルフコンペも開催するように。元気なのは身体だけでなく、気持ちの若さも健在だ。
「たまに鏡を見ると『このじいさん誰だ?』と思うんだけど、普段、自分の姿が見えないとずーっとガキの気持ちなんですねえ。子どものまんま漫画家になってしまったもんだから」
86歳で現役を続ける秘訣のほか、終戦時の奉天(現・瀋陽)からの引き揚げ体験、代表作『あしたのジョー』の原作者・梶原一騎と初対面した際のエピソード、ジョーが燃え尽きたラストシーンの裏話など、ファン必見のインタビューの全文は『週刊文春 電子版』および2月20日発売の『週刊文春』で読むことができる。
