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実は高速の栃木弁

――僕は「爆笑オンエアバトル」でお二人を観ていたんですけどね。もの凄く訛ってるけど早口だった記憶があるんですが。

福田 番組で3連敗しちゃったんですよね(苦笑)。お客さんのジャッジコメントの多くが「早口過ぎてわからない」。

益子 ネイティブなもんで、北関東自動車道並みに高速だったからな。お客さんもスピードラーニングで勉強してたら自然に聴こえたろうけど。

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――栃木弁を寝たまま勉強して(笑)。

福田 で、4回目の挑戦からゆっくり意識的に喋るようにしたんです。若かったので経験が浅いからバランス取れてないんですね。今でも緊張すると早口になります。

益子 低速にしたらお客のウケがガラッと変わったね。

 

福田 そうは言うけど、益子のほうが序盤で突っ走るんですよ。そのたんびに僕は「わ、今日は球速ぇぞ」とか心配になるんです(笑)。

益子 初回から150キロは行くからね! バシーンと受けたら痺れるやつ。

福田 受ける身になれよ(笑)。でもホント、その時は球を緩めに返すようにします。

益子 速すぎると福田の眼が苦笑いしてるんで分かるんですよ(笑)。そうすっと、あー飛ばしすぎてんのかってわかります。

地獄のシゴキを耐え抜いて

福田 「オンエアバトル」で電波に乗れるようになった頃、やっとライブでウケるようになりましたねえ。だけど、ゴールデンの番組やM-1グランプリに行けないって壁がありましたね。

益子 文化放送のディレクターさんや作家さんから、M-1に行くためにだいぶ「かわいがり」やられたな!

 

福田 相撲界じゃないから。でもじっさい、鍛えられましたよ。

――具体的にどんな?

福田 修業が足りないってことで、テレビのツッコミを勉強しろと課題を出されましたね。1週間の番組表に必見の印があって、それを視聴してノートに書き留めるんです。上田(晋也)さんのツッコミが速いとか、たとえが巧いとか書いて提出する。それを赤ペンで添削されるんです(笑)。

益子 出ていた「レコメン!」のオープニング3分のトークもキツかったなあ。ライブも出なきゃいけないけど、課題もあるしって。勉強できない頭の悪い子の気持ちになってたもん(笑)。

福田 まさに塾に行くの嫌だって子でした。オープニングのネタ3本用意させられるんだけど、正直、限界まで追い詰められて。

益子 度胸試しにストリートトークにも行かされたよな! 局の前に立って、一般の人に声かけてネタを聴いてもらうんですよ。俺らも全然売れてないから、怖がられちゃったりして。もう、根が照れ屋だから恥ずかしくって。

――それだけ局の人が期待してたってことなんでしょうね。

福田 それは感じました。だけど昼の「大竹まことゴールデンラジオ!」じゃ楽しいんですよ。厳しいって伝説の大竹さんは優しいし。

益子 放送中、いろいろイジってくれるんですよ。終わった後はとっても優しい。あのギャップに惚れますねえ。

福田 それに対して夜の「レコメン!」はスパルタ塾だった。M-1ダメだったからって本籍地を文化放送のある浜松町に移されたり(笑)。

益子 戸塚ヨットスクールか、日大かってね!

福田 それな、いろいろな意味でツッコみにくいからやめろ。

ローカルネタ全開がウケると分かったらやりやすかった

益子 で、フジの「爆笑レッドカーペット」で初めてゴールデン進出して、栃木ネタで突っ走ったんですよ。かんぴょう、茨城がライバルとかを出してって。

福田 「虎の門」のプロデューサーさんが掴みで演ってる栃木ネタを「5分いっぱい演ってみたら?」って教えてくれて。これに特化したらM-1の決勝まで行けました。

――ローカルネタって演る方は面白いと思わないものですか?

益子 はい。正直、東大なのに暮らせるのかよって。

福田 回りくどいだろ、素直に灯台下暗しって言えよ。 

益子 ローカルネタ全開がウケると分かったらやりやすかったですよ。「なんとかダッペよ!」って言ってオッケーなんですもん。ナチュラルでネイティブでいいから。どっかでまだ標準語に縛られてたかも知れないです。キッドさんにアドバイスされても掴みの部分で栃木ネタを演るだけだったんで。