重さ2トンで「超リアル」! 等身大の「牛」がいる店舗

 また、沖縄にある「MEGAドン・キホーテうるま店」には、沖縄、特にうるま市で盛んな伝統の「闘牛」からインスピレーションを受けて、牛のオブジェを作りました。

 うるま市の文化を知るために闘牛大会を見に行ったのですが、ガツン! とぶつかり合って闘うド迫力の牛同士の真剣勝負はまるで格闘技のようで、学生時代に空手をやっていた私はすっかりその魅力にハマってしまったのです。大会には何度も足を運ぶくらい闘牛のファンになりました。そこで「店内に牛も置こう!」という話になり、FRP(繊維強化プラスチック)で等身大サイズの2トンもある牛を作るに至ったのです。

地元でさかんな闘牛にインスピレーションを受け、MEGAドン・キホーテうるま店では重さ2トンの牛をプラスチックで製作した

 牛の像を製造する時には、牛舎にお邪魔して、牛を間近で見て、触らせてもらいました。そして、瞳の大きさや筋肉のつき方などもじっくりと観察しました。毛皮は、実物を使うことで、極限までリアリティを追求しました。

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 半分、遊びのようなノリにも感じられるかもしれませんが、私たちは至って真剣です。直接的に利益を生むわけではない造形物を作ることを許可する支社長も、店作りを真剣に、かつ楽しんでいる方だなと思いました。一番大変だったのは、サインパートナーさん(看板工事の協力会社さん)だったと思います。なんせ、牛なんて作ったことはなかったのですから……。

 一人ひとりが、自分に与えられた役割に真剣に取り組み、互いに知恵を振り絞りながら熱中して作り上げた店舗には、目には見えないけれども、熱気を帯びたオーラのようなものが漂うものです。そのオーラが、ドンキらしい世界観に欠かせないものなのです。

次の記事に続く 巨大な顔が「ウーッ」とうなりながら、鼻から煙が…世にも奇妙な“海底神殿ドンキ”が生まれた意外なきっかけ

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