「ドンキ」の愛称で親しまれ、今や「国民的ディスカウントストア」とも呼べるドン・キホーテ。街中で目を引くド派手な外観が特徴だが、エリアによっては色味などに制限があることも。例えば景観に厳しい京都はその一つだ。それでもインパクトを残すため、試行錯誤した結果どんな店舗になったのか。『ドンキ式デザイン思考 セオリー「ド」外視の人を引き寄せる仕掛け』(二宮仁美著、イースト・プレス)から一部抜粋し、お届けする。(全3回の3回目/1回目を読む/2回目を読む)
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「景観を害してはダメ」というお題に、ドンキはどう応えたのか
店舗をデザインするたびに、さまざまな制約・ハードルに直面します。その一つが「看板のサイズ・数」です。看板などの屋外広告物を建物に設置する場合には、自治体に「屋外広告物許可申請」の手続きをする必要があるのですが、その際に、看板の大きさや数に規制が設けられています。「景観を害するから、看板はこのサイズを超えたらダメ」「二つ以上の看板は設置できない」といった具合です。
さらに、観光地や住宅街などの場合には、景観を維持するために「看板の明度や彩度」が限定されていることがしばしばあります。例えば「この色は使わないでください」「彩度は4以下に抑えてください」などと要求されるケースがあるのです。
看板のサイズにせよ、色にせよ、外観デザインで存在感を発揮したいドンキにとっては、なかなか高いハードルです。こんな時、私は、デザイナーならではの発想とアイデアで、このハードルを越えてきました。