こうして「覚醒剤人生」が幕を開けた

 最初は何も感じなかったが、少しして頭がキーンと音を立てはじめた。やがて全身が鳥肌立ち、すさまじい高揚感に包まれた。自分が巨人か神に変身したような感覚だった。

 紹子は言った。

「すげえ気持ちいいだろ。これであんたも共犯だな。ポンプの方がずっと効くから、今度はそっちでやってみろよ」

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 そう言って注射器を差し出した。血管に直接流し込めば、どれだけの快楽を手にできるのか。未知は迷わずにシャツの袖をまくり、腕を差し出した。

 これが地獄の入り口だった。13歳から30年以上にわたる覚醒剤人生が幕を開けたのである。

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