対策その2:混雑時ほど「キープレフト」を意識

 高速道路が混雑している状況では、右側の車線に車両が集中する傾向にある。混雑とともに全体のペースが落ちていくと、「もっと速く進みたい」というドライバーがこぞって右車線に移っていくからだ。

 2017年にNEXCO東日本が東北道上りの佐野藤岡IC~館林IC間で実施した調査によれば、渋滞中の車線利用率は、第1走行車線(左側車線)が20%であったのに対し、第2走行車線(中央車線)は36%、追越車線はなんと44%にも上る。

 こうして右側に車両が集中し、車間が詰まっていくと、少しのブレーキが後続車に伝播していき、結果として渋滞につながっていく。

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 そのため混雑時にはあえて左車線をキープすることで、車両台数が相対的に少ないレーンを進めるし、何より渋滞の抑止効果にもつながる。

 先のNEXCO東日本による調査では、同区間で左側車線の利用を促すLED標識を設置し、第1走行車線、第2走行車線、追越車線の利用率がそれぞれ28%、34%、38%にまで平準化された結果、最大渋滞長も22kmから10kmにまで改善したという。左車線を使う人が増えれば、渋滞も緩和されるわけである。

 もちろん、大型ジャンクションやSAなどの合流がある場合、左側車線のペースが遅くなることもある。しかし混雑時に「あっちの方が早そうだ」とやたらと車線変更を繰り返すくらいなら、「基本はキープレフト」を心がけるのが渋滞抑止としても、事故の予防としてもよいだろう。