2017年、怪我に泣いた「まぼろしの4割打者」

 シーズン4割打者の打席数10傑を記す。2017年の日本ハム、近藤健介がただ一人、100打席以上に立って打率4割をキープした。

規定打席に満たないものの4割を残した選手たち(書籍より抜粋)

 この年の近藤は春先から好調で、6月6日まで.407、開幕から50試合目での4割キープはパ記録だったが右太ももを痛めて戦線離脱。9月28日に復帰して以降も好調を維持し最終的には.413だった。

 近藤健介の記録で目立つのは四球の多さ。69安打に対し60四球もある。打率を上げるためには安打を打つだけでなく分母である打数をできるだけ小さくする必要がある。選球眼が良いことは4割を打つうえでは重要なポイントと言えよう。

ADVERTISEMENT

 5位のタイガース、小川年安の記録は、プロ野球最初のシーズンである1936年春夏に記録された。この季はチーム成績のみ表彰して個人記録はなかった。タイガースの試合数は15試合、今流の規定打席を当てはめれば47となり、49打席の小川はクリアしている。打席数は極めて少ないが、個人記録の制度がこの時点であれば、初代首位打者、そして唯一の4割打者だったことになる。藤原真、石井茂雄は投手。打数が少なければ、たまたまラッキーヒットが続くこともあるのだ。

 シーズン序盤に100打席以下で4割を打つ打者は毎年のようにでている。しかし好調を維持してシーズン終盤まで4割をキープする選手は、ほとんどいないと言うことだ。

次の記事に続く イチローの「4367本」でも王貞治の「868本」でもない…現代野球で最も破るのが難しい“アンタッチャブルレコード”とは

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。