プロ野球の打者は「打率3割」を残せば1流といわれ、これまで規定打席に到達して「4割」を残した選手はいない。ただ、そこに肉薄した選手はいた。そしてそれは「イチロー」でも「バース」でもない――。プロ野球は、記録を見るともっと楽しくなる。『野球の記録で話したい』(広尾晃著、新潮社)から一部抜粋し、お届けする。(全3回の1回目/2回目を読む3回目を読む

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「打率4割」に肉薄した打者とは? ©Wakko/イメージマート

過去最も打率が高かったのは「バース」

「4割打者」はプロ野球にとって「夢の数字」だ。しかしNPBでは過去に誰も達成していない。

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これまでのシーズン打率トップ10(書籍より抜粋)

 上にシーズン最高打率10傑を示した。1986年、阪神の21年ぶりの優勝の翌年、2年連続三冠王となったバースが記録した.3885がNPB、セ・リーグ記録だ。2000年のイチローがこれに1厘2毛差に迫った。これがパ・リーグ記録。

 イチローは翌年、MLBのマリナーズに移籍する。10傑のうち9人が左打者。右打者では2008年、内川聖一が記録した.378が最高だ。