トランプ現政権は台湾をどうするのか

〈〔コルビー氏と〕意見が異なるのは、「力の均衡」(パワー・バランス)に対する考え方です。「米国と中国はある種の『力の均衡』を達成することで『安定』を見出せる」とコルビー氏は前提としていますが、私は同意できません〉

〈もう一つの論点は、「台湾を含めた力の均衡」か、「台湾を含めない力の均衡」かです。つまり、米国と中国の力の均衡点を「第一列島線」(台湾)に置くのか、「第二列島線」(グアム)に置くのか。「台湾は米国にとって派生的な権益にすぎない」というのがコルビー氏の主張です。氏の周囲には、台湾を“捨て駒”にして、グアムから中国を封じ込める、という戦略を提案する人がいます。しかし、グアムから中国を封じ込めるのは物理的に不可能です〉

 ポッティンジャー氏は、第2次トランプ政権を表立っては批判していない。だが、コルビー氏への反論からは、「トランプ現政権は台湾を切り捨てるかもしれない」と強く危惧していることが伝わってくる。

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ポッティンジャー氏
書影『煮えたぎる海峡』(ポッティンジャー氏)

 このほか、「抑止力を能動的に構築しなければ台湾有事は防げない」「有事や海上封鎖に備えて武器だけでなく食料やエネルギーの備蓄が不可欠」「状況によっては中国本土への攻撃も必要になる」「戦争が起きて米大統領が数時間以内に下す決断がその後の運命を決する」「日本も他人事ではない」など、台湾有事に備えるためのポッティンジャー氏の緊急提言「台湾は本当に危うい」の全文は、5月10日発売の「文藝春秋」6月号および、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」(5月9日先行公開)に掲載されている。

文藝春秋

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台湾は本当に危うい

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