スタッフの方からは「なんの作品ですか?」と…万博会場でのコスプレへの反応

――万博について書いたnoteも話題になりました。

鹿乃 コスプレイヤーでもそれ以外でも、コスプレで万博に行ってみたい人の不安や疑問を解消できたらなという思いでした。

 私も感じていた、「万博は批判も多いし楽しくないのかな。コスプレで万博を楽しむには特別なチケットが必要なのかな」という不安を乗り越えるきっかけになってくれたらと思って書きました。

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――実際、万博は楽しかったですか。

鹿乃 コスプレ抜きにしてもすごく楽しい場所でした。今までの私みたいにSNSの批判を見て、行くのを悩んでいる人がいたらもったいないと思います。

コスプレをして万博に行った鹿乃つのさん(写真=本人提供)

――万博では、鹿乃さんのコスプレに対して周りはどんな反応だったんですか。

鹿乃 会場ですれ違った方が「エルフいる?」となって、追いかけて写真を撮りに来てくれたり、万博のスタッフの方が「なんの作品ですか?」「どういうキャラクターなんですか?」って声をかけてくださって。「『ダンジョン飯』っていうんですよ。アマプラで見れますよ」と話したりしていました。

批判が広がるようになった最初のきっかけ

――現場の反応は好意的だったんですね。当初はXでも鹿乃さんのコスプレに好意的な反応が多かった印象ですが、どこから流れは変わったのでしょうか。

鹿乃 Xに「愚痴アカウント」という批判を専門にするアカウントがあるんですが、その中でもコスプレ専門のアカウントに目をつけられたのが、批判が広がる最初のきっかけだったと思います。

 批判で多かったのは「コスプレで万博に行くなんてモラルがない」というものでした。万博の公式サイトに「持込禁止物に該当しないものであれば、装着しての入場は可能です」と書かれているんですけど、批判側は「更衣室やロッカーがない=暗にコスプレは歓迎されていない。可能と言われたからといってどこでもコスプレするなんてモラルや倫理観に欠けている」「私たちが苦労して築いてきたルールを破るな」という主張でした。

コスプレOKの自転車レースにマルシルのコスプレで参加した鹿乃つのさん(写真=本人提供)

――日本国際博覧会協会の担当者も、毎日新聞の取材に対し、会場はルールを守ればコスプレ禁止ではないと答えています。公式サイトには「会場内の公序良俗に反する服装や平穏を乱す行為は禁止」とありますが、マルシルのコスプレは過度な露出でもありません。

鹿乃 胸の露出が激しいような卑猥な衣装のキャラクターであったりは、さすがにダメだなというところだと思います。