「そもそもコスプレが嫌いな人もいる」という批判に思うこと
――そもそもコスプレが嫌いな人もいるから、そうした人に配慮して万博にはコスプレで来るべきではないという批判もありました。
鹿乃 そうやって批判する人たちの中にも、名古屋の「世界コスプレサミット」や池袋の「アコスタ」に参加している人もいると思うんです。
もちろん一般の方に混ざってコスプレをすることで我慢させちゃう人もいるかもしれないんですけど、もしそこを考えるのであれば、万博以外の市街地、住宅街でのコスプレイベントについても広い課題として考えなきゃいけないと思うんです。
――「ダンジョン飯」のキャラクターという版権もののコスプレで著作権侵害という批判もありました。
鹿乃 実際の是非については自分には判断できかねない。著作権侵害は基本的に親告罪なので、版元から言われたら対処はしなければいけないと思います。
「火消しをしなきゃ」「誤解を解かなきゃ」と焦ってしまい……
――鹿乃さんは自身を批判する投稿に対して、積極的にリプライされています。それはなぜですか。
鹿乃 今回の騒動の中でも話し続けていたのにはいくつか理由があります。1つは批判側の方とも対話をしたかったんです。今批判をしている人にもその感情に至った経緯がある訳で、それを知ればお互いわかりあえるところがあるんじゃないかと思っていて。
この間、Xのスペースで万博コスプレ批判側の方々と話したんですけど、話した方のほとんどはその後に「応援してます」とDMをくださったんです。だから「話したらわかるとか期待をしすぎだ」と結構言われるんですけど、そこは諦めきれなくて。
もう1つは万博のことで批判を受ける中で「火消しをしなきゃ」「誤解を解かなきゃ」と焦って投稿していたところがあります。
もともと私自身は議論や意見交換が好きで。普段は気をつけていますが、それでもすごく強い言い方に映るというご指摘をいただいたことがあります。そういう私の気質が焦る精神状態と相まって、すごく悪い方向に作用したなと思っています。
本当は私がもっとうまく話せればよかったのですが、「万博が失敗したらお前のせいだ」「万博に迷惑コスプレイヤーが来て国際問題になったらお前のせいだ」とか、全ての責任を押し付けられる中で、「冷静な判断ができないのだったら投稿をやめよう」とも判断をすることができず、ただただ「なんとかしなきゃ」が先行してしまいました。
写真提供=鹿乃つのさん
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