『八神くんの家庭の事情』『鬼切丸』などで知られるベテラン漫画家・楠桂さんが3月、夫の不倫をSNSで明かした。夫は中学の同級生の元カノと10年以上の不倫関係を結び、彼の友人たちがアリバイ工作にも加担、「団体戦の不倫」をされていたという。結婚23年目に発覚した熟年不倫によって楠さんは不倫相手と対峙し、慰謝料も請求した。

 そして5月2日より、連載漫画『サレ妻漫画家の旦捨離戦記』をスタートし、現在は離婚して一人暮らしとなった楠さんに、熟年不倫と離婚について聞いた。(全2回の2回目/1回目から読む)

漫画家の楠桂さん(写真=本人提供)

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SNSで出すことも漫画に描くことも、元夫と愛人に伝えている

――元夫の不倫を知ってから、描く作品やタッチに影響はありましたか。

楠桂さん(以降、楠) めっちゃ不倫ものを描くようになりました。ホラー雑誌で連載してたんで、死人も出せるし、せめて漫画の中だけでも報いをと、すごい熱量とスピードでネームを仕上げました(笑)。

 不倫されなかったらなかった引き出しができましたね。

――そこだけは元夫に感謝することも?

 感謝は全然ないですけど、私が漫画を描いてなかったら、こんな片田舎のアラフィフ熟年夫婦の熟年不倫なんて話題にならなかっただろうな、とは思います(笑)。

――楠先生はSNSや漫画でも不倫の件を赤裸々に明かされていますが、元夫はそのことを知っている?

 SNSで出すことも漫画に描くことも、元夫と愛人に伝えています。元夫からは、「誰がそんなの興味あるの? 君が恥をかくだけだよ」って言われましたけど、「恥ずかしいことをしたのはあなたと愛人だよね」って言い返しました。

愛人がつけてきたネックレスは…

――相手の女性とも交流があった?

 3年前に彼が不倫を自白した時、「不倫相手に離婚を迫られて脅されている。許してほしい」と言われたんです。許してほしい云々の前にまず別れなさいよ! ということで、別れ話のために私と彼と、彼のお母さん、そして愛人という4人で会いました。

――ヘビーな話し合いの場はどこで?

 元夫が家族経営の会社をやっているので、そこの事務所にしました。店だと私も怒鳴っちゃうだろうし、個人的な場所じゃないと、ということで。

――何を着ていくか困らなかったですか。

 ねえ。おしゃれして行くわけにもいかないし。でも、普段穿いているようなデニムはやめました(笑)。結局、白いブラウスとパンツで行ったかな。ちょっとは化粧して。

 愛人はどんな武装をしてくるかなと思ったら、普通の白いブラウスにロングスカートでしたね。でも、後で知ったんですけど、その時彼女がしていたネックレスは元夫からのプレゼントでした。