記名式チケット、マイナカード認証も登場

メルカリではチケット類の販売も可能だが、禁止事項として「転売目的で得たとみなされるチケット」「記名式チケットや、個人情報の登録のあるチケット」などが挙げられている。

日本三大花火大会の一つ、新潟県長岡市で毎年8月に開催される「長岡まつり大花火大会」では、このような条件を念頭に置いて、今年から有料観覧席チケットを購入者の名前を印字した記名式で販売する。観覧席は例年抽選で販売されるが、高額転売が問題となっており、対策として講じたものだ。

デジタル庁も黙ってはいない。マイナンバーカードを活用し、アイドルグループのライブチケットの不正転売を防止する実証実験を行っているのだ。マイナカードによる本人確認により、複数のアカウントによる大量購入等を防ぐことを目的としたものだ。

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実証実験は、「モーニング娘。’25 小田さくらバースデーイベント ~さくらのしらべ 14~」(3月21日)と「Hello! Project ひなフェス 2025」(3月29日、3月30日)で行われた。マイナカード情報を登録した来場者は、QRコードと顔認証で専用ゲートを通過して入場した。

ひなフェス自体はマイナンバーカードを使わない紙チケットでの販売もあったため、不正転売が発生。約300枚の不正転売があり、定価9600円のところ、最も高いものでは7万円となっていた。ところが、マイナンバーカードを使った電子チケットでは、初日の第1回目公演で不正はゼロだったという。

ディズニーの転売対策に動じない転売ヤー

このように効果を発揮している対策もあれば、うまくいっていないものもある。

ディズニーランドとディズニーシーでは、限定グッズを大量に買い込む外国人転売ヤーの姿が目撃され、たびたびSNSで話題になっている。

そのディズニーシーで1月から行われている新イベント「ダッフィー&フレンズ・ワンダフルキッチン」では、関連する限定グッズを販売。転売対策として、当日入園済みのチケットがある人のみ、ディズニーリゾート・アプリ内で1つ購入できるという制限をかけたのだ。