普段はアメリカに行かなければ観られないメジャーリーグの試合を、何としてでも一目観たいと考える気持ちは分かる。チケットが高騰するのはもっともだろう。しかし、使用済みのチケットまで売ろうと考えるのはなぜなのだろうか。

無償配布のお薬手帳もターゲットに

TVアニメ「薬屋のひとりごと」と日本薬剤師協会がコラボしたお薬手帳も転売の標的となった。3月から薬局窓口などで無償配布されているものだが、メルカリで出品が続出。元手がゼロなので、売れた金額がそのまま転売ヤーの利益となってしまう。

アニメ公式サイトでは3月5日に「今回の取組みは、お薬手帳の重要性の訴求を目的とし、薬局をご利用の方へお渡しをさせていただいております。コラボお薬手帳の転売はおやめ下さい。また、転売されているコラボお薬手帳の購入もお控えください。」と呼びかけたが、その後も多数出品されている状態で、1000円前後の値が付けられていた。

ADVERTISEMENT

「ちいかわ」の受注生産は効果的

初めから転売目的で人気商品を購入する転売ヤーは、頻繁に問題となる。中には明らかに転売で生活している「プロ」がおり、組織だって行動するケースも目立つようになってきた。

東京ドーム開催のカブス対ドジャースの開幕戦シリーズと人気イラストレーター、ナガノ氏の「ちいかわ」のコラボグッズも即完売となり、転売の餌食となった。即座に定価の4〜5倍の値でメルカリなどに出品され、既に売れたものもあった。

ところが、オンラインストア「ちいかわマーケット」の公式Xアカウントが、その日の夜に、「『#ちいかわ×#MLB TOKYO SERIES』たいへんご好評につき受注生産が決定!詳細は後日おしらせ」と受注生産する予定を発表。転売しようとした出品者は軒並み値下げする羽目となった。

転売は、貴重で入手が困難なもので行われる。受注生産にすれば、メーカー側は必要量の販売ができ、ほしい人が適切な値段で購入できるようになる。転売対策としては、単純だが効果的な方法なのだ。